「なかなか良い土地が見つからない」
「見つかったけど、これで決めていいのか分からない」
土地探しをしていて、こんな気持ちになったことはありませんか。
焦って決めれば後悔するかもしれない。
でも迷っているうちに、良い土地は他の人に決まってしまうかもしれない。
どちらの不安もつきまとうのが、土地探しの厄介なところです。
私は地方の工務店で、住宅営業として8年間働いてきました。
土地探しの段階から関わり、数多くの施主さんの決断を見てきました。
土地探しの結果も、決めたあとの納得感も、何を優先し、何を確認すべきかを事前に知っているかどうかで大きく変わります。
この記事では、現場で見てきた実例を交えながら、知っておくと後悔を減らせるポイントをお伝えします。
この記事で分かること

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まずは要望整理と優先順位付け
土地探しで最初につまずくのは、実は「探し方」ではなく「決め方」です。
広さ、立地、価格。
土地に求める条件はいくつも出てきますが、そのすべてを満たす土地は、まず見つかりません。
だからこそ、条件同士がぶつかったときにどちらを優先するかが大事になってきます。
優先順位が決まっていないと、いざ土地の候補が出たときに「あっちも良さそうだし、こっちも捨てがたい」と迷っているうちに、他の人に決まってしまうことがあります。
逆に優先順位さえ決まっていれば、条件がぶつかる場面でも、その場で迷わず選べます。
優先順位が決まったら、その条件で実際にどんな土地が出ているか、一度検索してみてください。
「この条件なら、これくらいの価格・広さの土地があるんだ」と分かるだけでも、判断がぐっと具体的になります。
気になる土地が見つかったら、資料請求をしておくと、あとで見返すときにも役立ちます。
⇒ Yahoo!不動産で、希望条件に近い土地を探してみる
要望整理と優先順位のつけ方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
不動産会社と仲良くなる
「不動産会社と仲良くなる」と言われても、友達でもないのに、と思うかもしれません。
ですが、これは意外と侮れないコツです。
土地の多くは、不動産会社が仲介して売りに出されます(知人からの購入や、親からの譲渡・相続は別のルートです)。
不動産会社は、土地を仕入れると、写真撮影やライフラインの調査など、販売のための準備を進めます。
この手間を省くために、懇意にしている住宅会社へ先に情報を流すことがあります。
もし自分自身が不動産会社と良い関係を作れていれば、懇意の住宅会社と同じタイミング、あるいはそれより後でも、市場に公開される前に情報をもらえる可能性がゼロではありません。
希望条件だけでなく、優先順位や妥協できるラインまで伝えておくと、不動産会社側も提案がしやすくなり、紹介してもらえる物件が増えます。
良い土地との出会いは、タイミングと縁に左右される部分が大きいと感じています。
情報が自分に届きやすい関係を作っておくことは、その確率を上げる、地味だけれど有効な工夫です。

見落としがちな確認ポイント
土地は、見た目や立地の良さだけで判断すると、あとになって想定外の出費や制約に気づくことがあります。
もう一歩踏み込んで確認しておきたいポイントを、4つ紹介します。
ハザードマップは必ず見る
自治体が公開しているハザードマップで、水害・土砂災害などのリスクを確認しておきましょう。
これはどの土地探しの情報でも触れられている基本ですが、意外と見落とされがちです。
気に入った土地が見つかったら、契約の前に一度は目を通しておくことをおすすめします。
建ぺい率・容積率は都市部で注意
建ぺい率(敷地面積に対する建物の建築面積の割合)と容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)は、土地ごとに上限が決まっています。
これを把握しないまま契約すると、希望していた広さの家が建てられないことがあります。
郊外で広々とした敷地に家を建てる場合は、これが問題になるケースはそれほど多くありません。
特に注意が必要なのは、市街地や都市部です。
地価が高いエリアでは、一般的な価格帯で流通させるために区画そのものを狭くする傾向があり、建ぺい率・容積率の制約に引っかかりやすくなります。
地盤の強さは”土地の履歴”がヒント
地盤調査自体を直接義務づける法律の条文があるわけではありませんが、建築基準法施行令や住宅の保険制度のしくみを通じて、実質的には調査が必須になっています。
正確な結果は個別に調査してみないと分かりません。
とはいえ、この土地の地盤はどうなのかな、改良工事が必要なのかなと気になりますよね。
そんなとき、目安として参考になるのが、その土地の履歴です。
以前、もともと田んぼだった土地を造成した分譲地を担当したことがあります。
そこでは、すべての区画で地盤改良が必要という結果になりました。
ただ、同じ分譲地の中でも、区画によって以前の土地の使われ方が違うことはあります。
仮に隣の区画がもともと畑だったとしたら、改良が不要という結果になる可能性もゼロではありません。
土地の履歴は、あくまでヒントのひとつです。
過信はせず、参考程度にとどめておくのがちょうどいいバランスでしょう。
水道の「引き込みあり」も油断禁物
物件情報には、上水道の「引き込みあり/なし」が記載されています。
ただ、この表示だけでは安心できないことがあります。
以前、ずっと空き地だった古い分譲地の区画を購入したお客さんがいました。
前面道路から数メートル引き込むだけの、簡単な工事で済むはずでした。
ところが実際に水道局へ相談すると、前面道路の管はすでに周辺の家の水道をまかなうのが精一杯で、これ以上分岐させると周辺の家の水圧が下がってしまうと言われたのです。
結局、より上流の太い管から引き直すことになり、想定より費用がかさみました。
「引き込みあり」の表示があっても、管が古く細い場合は同様の注意が必要になります。
表示だけで判断せず、もう一段階踏み込んで確認しておくと安心です。

いい土地は高い
「いい土地が高いのは当たり前でしょ」と思いましたよね。
そう、当たり前です。
ですが、この当たり前の裏には、土地探し全体に共通する構造があります。
土地の条件は、多くの場合「Aを取ればBを手放す」という関係でできています。
価格を抑えれば、広さや立地のどこかで妥協することになりますし、静けさを求めれば、駅や学校からの利便性が落ちやすくなります。
ネットの相談掲示板でも、通学路や買い物先への近さを優先して土地を決めた方が、目の前の道が車二台がすれ違うには狭く、車のスピードも出ていて不安だ、と悩んでいる声を見かけたことがあります。
利便性を優先した以上、こうした立地条件とは引き換えになりやすいというのが実情です。
もちろん例外がまったくないわけではありません。
売主の事情で好条件の土地が値下げされることもありますし、外出が少ない方であれば、利便性の低さがそれほど気にならないこともあります。
とはいえ、多くの場合はこのAとBの関係から逃れられません。
だからこそ、最初に決めた優先順位が効いてきます。
何と何がぶつかっているのかが分かれば、どちらを取るべきかも判断しやすくなります。
ちなみに、線路や幹線道路の近さのように「音」が気になるケースでは、少し違う角度からの話もできます。
以前、幹線道路沿いの土地に住み始めた方から、走行音で眠れないという相談を受けたことがありますが、1か月ほどで「慣れて普通に眠れるようになった」と聞きました。
誰にでも同じように当てはまるとは限りませんが、慣れれば気にならなくなるケースもある、ということは知っておいて損はありません。
それでも見つからないときは
希望に合う土地が、どうしても見つからないこともあります。
そんなときは、建物の建っていない土地(更地)だけで探すのではなく、建物の建っている土地、つまり中古物件を購入して解体する、という手も選択肢に入れてみてください。
建物を解体してしまえば、実質そこは更地です。
更地だけで探すよりも、探せる土地の候補はぐっと増えます。
ただし解体費用も年々上がっているので、その分を含めて判断する必要があります。
まだ住める状態の物件であれば、解体せずに改修して住む、あるいはリフォームするという道も選べます。
まとめ
土地探しに、完璧な正解はありません。
条件のどれかを取れば、別の何かは手放すことになります。
だからこそ、先に何を優先するかを決めておくこと。
そして、見た目や表示だけで判断せず、もう一歩踏み込んで確認しておくこと。
このふたつを知っているかどうかで、決断のスピードも、決めたあとの納得感も変わってきます。
ここで紹介したコツを、ぜひ土地探しに役立ててみてください。
みなさんが、納得のいく土地に出会えることを願っています。


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