住宅展示場は見学だけでもOK?元住宅営業が教える、行く前の準備と見学のポイント

住宅展示場は見学だけでもOK? 住まい
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家づくりを考え始めると、一度は住宅展示場に行ってみたくなりますよね。
でも、いざ行こうとすると、こんな気持ちがわいてきませんか?

「何も決まっていないのに、行っていいのかな」
「営業の人につかまったら面倒だな」

私は工務店で約8年、住宅営業として働いていました。
会社のモデルハウスで、来場したお客さんを案内するのも私の仕事でした。

住宅展示場は、見学だけで行っても大丈夫です。
ただ、何も考えないまま行くと、「素敵だったね」で終わってしまうことが多いです。
行く前に少しだけ準備をしておけば、同じ見学でも、自分たちの家づくりにつながる時間になります。

この記事では、展示場での時間を意味のあるものにするための準備と見学のポイントを、営業として迎えていた側の目線でまとめます。

この記事で分かること

休日の総合住宅展示場で、モデルハウスが並ぶ通りをパンフレットを持って楽しそうに歩く夫婦

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住宅展示場は見学だけでもいい?

見学だけで、まったく問題ありません。
展示場は、家づくりを考え始めた人が、実際の家を見て情報を集めるための場所です。

土地や時期が決まっていなくて大丈夫

「土地も時期も決まっていないのに行ったら迷惑では」と心配する方もいます。
でも、私が対応していたお客さんも、8割くらいは土地も時期も決まっていない人でした。

「土地は決まっています」という方でも、実際は「ここがいいかな」と考えている程度で、まだ購入まではしていない方が多かったです。
土地や時期が決まっていない人が来るのが当たり前だと思って、営業は待っています。

「行くな」と言われる理由

ネットで調べると、「住宅展示場には行ってはいけない」という意見も見かけます。
よく挙げられている理由は、次の3つです。

どれも、何の準備もせずに行ったときに起こりやすいことです。
つまり「行くな」は、「準備なしで行くな」という意味です。

展示場のモデルハウスは、その会社がどんな家を建てられるのかを見てもらうためのものです。
広さも設備も、ふつうに建てる家よりずっと豪華につくられています。
それを分かったうえで見れば、「この部分は取り入れたい」「同じ雰囲気を、もっと手ごろに出せないかな」と、参考になるところはたくさんあります。

とはいえ、ハイグレードな家を一度見たら、それが頭から離れなくなりそうだという方もいるでしょう。
そういう方は、展示場より先に、実際にお客さんが建てた家を見られる完成見学会に行くのも一つの方法です。

営業トークやアンケートへの備え方は、記事の後半で紹介します。

予約なし・自由見学はできる?

総合展示場なら、予約なしでふらっと行っても見学できます。
ただ、できれば予約してから行くのがおすすめです。

予約なしでも行けるけれど、予約がおすすめ

総合展示場は、水曜日、または火曜日と水曜日を定休日にしているところが多いです。
それ以外の日なら、たいていのモデルハウスを見学できます。
なお、社内研修などで、会社ごとに臨時でお休みしていることもあるので、行く前に確認しておきましょう。

予約して行くと、次のメリットがあります。

気をつけたいのは、住宅会社が単独で建てているモデルハウスです。
ふだんは担当者がおらず、予約が入ったときだけ担当者が行く、という形のところもあります。
行ってみたら誰もいない、電話しても今すぐは行けないと言われた、ということもあるので、こちらは必ず予約してから行きましょう。

自分のペースで見たいときは

「営業の人と一緒に回ると気をつかうから、自分たちだけで見たい」という方もいるでしょう。
そういうときは、最初に「自分たちのペースで、ゆっくり見てみたいです」と伝えて大丈夫です。
今すぐ建てる予定がない、自分たちだけで見たい、という理由で見学を断られることは、まずありません。

ただ、自分たちのペースで見るといっても、担当者は少し離れてついてきます。
質問にすぐ答えたり、見学中のけがや体調不良にすぐ対応したりするためです。
なので、完全に自分たちだけで見るというより、必要以上に話しかけられずに見られる、くらいのイメージです。

見学するときに直接伝えづらければ、予約のときに「自分たちのペースで見たい」と伝えておきましょう。

見学の時間と回る棟数

私の場合は、1回のご案内に、だいたい1〜1.5時間くらいかけていました。
話が盛り上がると、あっという間に2時間たっていることも。

総合展示場なら、いろんな会社のモデルハウスがたくさん集まっているので、1日に3〜4棟回ることもできます。
休みが限られている中、時間とガソリン代をかけて足を運ぶなら、何棟かまとめて見ておきたいですよね。

ただ、1時間以上の見学を何棟も続けると、体も頭もかなり疲れます。
見たい会社を先に決めておいて、余裕があれば、現地で気になった家にもふらっと入ってみる。
そのくらいの回り方が、疲れすぎずにちょうどいいでしょう。

1日に3〜4棟見ても、その日のうちなら、見てきたことはそれほど忘れません。
一方で、何週かに分けて回ると、前に見た家のことは「あれはどこの家だったっけ」とあいまいになりがちです。
家ごとに気になったことを、その日のうちにメモしておきましょう。

展示場に行く前の準備

自宅のダイニングテーブルで、パンフレットを広げながらノートに知りたいことを書き出す夫婦

準備で一番大事なのは、自分たちなりの家づくりの基準を持っておくことです。
そのうえで、知りたいことのメモ、聞かれたときの答え方、持ち物を用意しておけば、営業のペースに流されにくくなります。

自分なりの基準を持ってから行く

展示場に行くのにおすすめのタイミングは、自分たちなりの家づくりの基準ができてからです。

家づくりのことを何も知らないまま展示場に行くと、最初に説明を聞いた会社の考え方が、そのまま自分たちの家づくりの土台になりやすいです。
住宅会社は、それぞれ自分の会社の得意なことを中心に説明します。
その話だけで基準ができてしまうと、ほかの会社のよさが見えにくくなり、本当に自分たちに合う会社を見逃してしまうかもしれません。

ここでいう基準とは、家を比べるときの自分たちなりの判断のものさしです。
たとえば、次のようなことです。

こうした基準があれば、どの会社の家も同じものさしで比べられるので、モデルハウスの豪華さや営業トークに左右されにくくなります。

基準をつくる近道は、特定の住宅会社に属さない、家づくりの相談窓口で話を聞くことです。
住宅会社の営業とは違う立場で、家づくりの進め方や考え方を教えてもらえます。

建てる場所が対応エリア(静岡・愛知・大阪など10府県)なら、くふうイエタテカウンターで、自分たちの希望や予算を、プロと一緒に無料で整理できます。
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基準ができたら、その基準に合いそうな会社を絞るために展示場へ行く。
この順番なら、モデルハウスを見る時間が、そのまま会社選びに役立ちます。

知りたいことをメモしておく

展示場に行く前に、今回の見学で知りたいことを家族で出し合って、メモしておきましょう。
たとえば、次のようなことです。

メモがないまま行くと、営業の人が話したいことを聞いて帰ることになりがちです。
営業は、お客さんの要望の中から会社の得意なことにつながるものを見つけて、そこを中心に話を組み立てるからです。

知りたいことが手元にあれば、話がそれても、自分たちの聞きたいことに戻せます。

アンケートや質問への答え方

展示場では、最初にアンケートの記入をお願いされることがほとんどです。
名前・住所・電話番号のほか、家づくりの時期や予算を書く欄があります。
見学中にも、担当者から予算や希望のエリアを聞かれます。

その場で慌てないように、次の2つを決めておきましょう。

予算は、ざっくりで大丈夫です。

アンケートの予算の欄は、「なんとなくこのくらい」「友だちがこのくらいで建てたから」という方がほとんどでした。
私は営業のとき、その金額の根拠を「FPさんに見てもらった金額ですか?」「銀行の事前審査の結果ですか?」とやんわり聞いていました。
こう聞かれて答えられなくても、見学するには何の問題もありません。

ただ、上限の感覚だけは持っておきましょう。
予算の話がまったくないと、営業の人は一番いいグレードを基準に話を進めることが多いです。
モデルハウスの豪華さに慣れてしまうと、あとで現実の見積もりを見たときにがっかりします。

予算の考え方は、こちらの記事でも触れています。

アンケートにどこまで書くかは、書いたらどうなるかを知ってから決めるのがおすすめです。
記事の後半の「アンケートを書くと連絡が来る?」で説明します。

持ち物と服装

持っていくと便利なものは、次の2つです。

モデルハウスでは靴を脱いで上がるので、脱ぎ履きしやすい靴がおすすめです。
階段を上り下りしたり、収納の中をのぞき込んだりするので、動きやすい服装で行きましょう。

モデルハウスで確かめるポイント

吹き抜けのある明るいモデルハウスのリビングで、窓辺に立つ妻と階段を見上げる夫を、少し離れて担当者が見守っている様子

モデルハウスは、図面や数字では分からないことを、自分の目や耳、肌で確かめられる場所です。
ただし、モデルハウスには、見る人がつい欲しくなるような、見栄えのよい設備や仕上げがたくさん取り入れられています。
実際に建てるときは、その中から自分たちに合うものを選ぶことになるので、見たままを完成形だと受け取らないようにしましょう。

モデルハウスは標準仕様ではない

モデルハウスの設備や仕上げには、標準仕様ではないもの(追加料金がかかるオプション)がたくさん入っています。
広さも、実際に建てる家より大きくつくられていることが多いです。

私がいた会社のモデルハウスは32坪くらいで、お客さんが実際に建てることの多い30坪前後に近い大きさです。

一方、総合展示場のモデルハウスには、60坪を超えるものもたくさんあります。
事務所の機能をもたせている分を差し引いても、ふつうに建てる家よりかなり大きめです。

見学するときは、担当者に「このモデルハウスで、オプションはどれですか?」と聞いてみてください。
どれがオプションかが分かると、「ここは標準のままでいい」「ここだけはオプションにしたい」と、予算に合わせて自分たちで組み合わせを考えやすくなります。

図面では分からない感覚を確かめる

家づくりの基準の中には、実物を見ないと判断できないものがあります。
モデルハウスでは、ただ眺めるだけでなく、実際にそこで暮らしているつもりで確かめてみましょう。

広さと動きやすさ

図面から想像していた広さと、実際その場に立ったときの広さが全然違う、ということはよくあります。
同じ広さの部屋でも、床から天井までの壁で仕切るか、腰の高さまでの壁(腰壁)にするかで、感じ方はまったく変わります。
壁の上の方に室内窓があるか、部屋が長方形か正方形か、壁紙の色は何色か、といったことでも、広さの印象は違ってきます。

動きやすさも、図面を見るより、実際に動いてみる方がよく分かります。
たとえば、買い物から帰ってきたつもりで、玄関から入って荷物を置き、コートを掛けるところまでやってみてください。
「コートは1階に掛けておけた方がいいな」「洗面室は階段の近くが便利だな」と、自分たちの動きやすさが見えてきます。

階段も、上り下りしてみましょう。
スケルトン階段(足を乗せる板と骨組みだけでできていて、段と段のあいだに縦の板がない階段)は、見た目はかっこよくて素敵です。
でも、実際に上ってみると、下の床が見えて怖いと感じる方もいます。

音

音は、実際に確かめないと分からないものの代表です。

気密性の高い家は、家の外と中で音が行き来しにくくなっています。
外の音が気になりにくく、家の中の音も外に漏れにくいのがよいところです。

私はモデルハウスで、テレビを大音量でかけたまま、お客さんに外に出てもらい、音がまったく漏れていないのを体験してもらっていました。
気になる方は、担当者に「外で音を聞いてみたい」と頼んでみてください。

吹き抜けがある家では、1階の音が2階にも伝わりやすくなります。
とはいえ、音の感じ方は人によって違います。
吹き抜けは音が伝わるからやめておこう、と決めつける前に、1階と2階に分かれて話してみると、自分たちにとって気になる程度かどうかが分かります。

また、屋根の素材によっては、雨の音も変わります。
金属の屋根(ガルバリウム鋼板)は、軽くて丈夫なのが大きなメリットですが、雨が当たったときの音が少し大きめです。
屋根のすぐ下にある部屋では、雨の音が少し気になるかもしれません。
雨の日にモデルハウスに行くと、その音を実際に聞けます。

室温

断熱性能に力を入れている会社は、「夏も冬も、家の中の温度差が少ない」ことを強みとして説明しています。
その実力が一番分かるのは、寒い日や暑い日です。

確かめるときは、エアコンのきいたリビングだけでなく、廊下やトイレ、洗面室にも行ってみてください。
部屋を移ったときに、ひやっとしたり、むわっとしたりしないか。
窓のそばに立って、窓から冷たさや暑さが伝わってこないか。
こうした部屋ごとの差は、数字の説明だけではなかなか実感できません。

気になったところは、写真に撮っておくと、あとで振り返るのに役に立ちます。
写真を撮る前には、担当者にひと声かけておきましょう。

広さの感じ方も、音や暑さ寒さの気になり方も、人によって違います。
その場で自分たちが感じたことを、行く前に決めておいた基準に当てはめて、会社を比べてみてください。

アンケートを書くと連絡が来る?

連絡先を書けば、あとから連絡が来ます。
連絡が来てほしくなければ、書かないという選択肢もあります。

書けば連絡が来るものと考える

アンケートは、住宅会社がお客さんのことを知って、そのあとの提案や案内に生かすためのものです。
今すぐ建てたい人はもちろん、将来建てるかもしれない人にも、連絡が続きます。

「電話やダイレクトメールを送ってもいいですか?」という質問の欄を用意している会社もあります。
ただ、基本的には、アンケートに連絡先を書いた時点で「連絡してもいい」と受け取られると思っておきましょう。
総合展示場のイベントなどで何社ものアンケートに書けば、その分だけ連絡が来ることもあります。

積極的な営業を避けたいときの答え方

営業は、アンケートとその後の会話から、お客さんの家づくりがどこまで進んでいるかを見ています。
私がいた会社で特に見ていたのは、次の5つです。

展示場でいろいろ聞かれるのも、だいたいこうしたことをはっきりさせるためです。
その答えから、契約が近そうだと判断されたお客さんほど、力の入った提案を受けることになります。

まだ積極的に営業されたくなければ、決まっていないことを、無理にはっきりさせる必要はありません。
「ほかにも気になる会社があって、そちらも見に行く予定です」「家族の都合もあって、時期はまだ決められないんです」のように答えておけば大丈夫です。
すでに見た会社の名前を出すと、「どうでした?」と比べる話になり、そこから営業トークに流れやすくなります。
名前は出さずに、さらっと済ませておきましょう。

営業もあの手この手で提案してきますが、はっきりしないことには話を先に進めようがないので、受け流していれば問題ありません。

書きたくないときは

アンケートは、あくまで住宅会社からのお願いです。
書かなくてもかまいません。

ただ、書かないと、その会社にあまり興味がないと受け取られて、案内があっさりしたものになることもあります。
その場合、気になったところは自分から質問しましょう。

まだ頻繁に連絡してほしくない時期なら、電話番号・住所・メールアドレスなど、連絡先の欄は書かないという方法もあります。

気をつけたいのは、アンケートの記入が見学の条件になっているイベントです。
私がいた会社では、建売住宅の見学会で一度、見学の条件にアンケートの記入を入れたことがありました。
今すぐ検討しているお客さんに来てほしいイベントだったからです。
こういう場合は、書かないと見学できないこともあるので、事前に確認しておきましょう。

気になる会社が見つかったら

気になる会社が見つかったら、次は完成見学会や勉強会で、もう少し詳しく知っていきましょう。

完成見学会では、モデルハウスと違い、その会社がふだん建てている家の広さや仕様、仕上がりを、そのまま見られます。
家づくり勉強会は、家の性能やお金のことなど、テーマごとに詳しい話を聞けるイベントです。
開催の予定は、その会社のホームページなどで確認できます。

モデルハウスで分かるのは、その会社が得意なことや、できることの幅です。
そこに、完成見学会で見るふだんの家と、勉強会で聞く詳しい話を合わせると、その会社が自分たちに合うかどうかを判断しやすくなります。

まとめ

住宅展示場は、見学だけで行っても、まったく問題ありません。
ただ、何も準備せずに行くと、自分たちの家づくりに生かせるものを持ち帰れないことが多いです。

行く前に、次の3つだけは準備しておきましょう。

準備をしてから行くと、同じモデルハウスでも見えるものが変わります。
帰り道に「素敵だったね」だけでなく、「うちならここはこうしたいね」と話せたら、その見学は大成功です。

このブログについて
Life-note Lab 管理人
さじ

会社員歴20年|40歳でフリーランス転向|ブログ×Webライティング×見習い農家|前職も非常勤で継続|自分に合う生き方を再設計中

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