「ていねいな暮らし」という言葉、SNSやブログでよく見かけるようになった。
なんとなくイメージはできるけど、いざ「どういう暮らしのこと?」と聞かれると、意外と説明しづらい。
この記事では、言葉の本来の意味から紐解きながら、私なりの解釈と、続けるためのヒントを書いていく。
そもそも「ていねい」ってどういう意味?
「ていねいな暮らし」と聞いて、あなたはどんな暮らしをイメージするだろうか。
手の込んだ料理、こだわりのインテリア、丁寧に手入れされた衣類……そんな絵が浮かぶ人も多いと思う。
ただ、それって本当に「ていねい」の意味なのだろうか。
ていねいな暮らしの本当の意味
「ていねいな暮らし」と聞いて、多くの人がイメージするのはこんな感じだろう。
- 日常のあらゆることに手間と時間をかける
- お金がかかっても質の良いものを使う
出汁を丁寧にとったり、天然素材の服を大切に手入れしたり。
そういった、丁寧で手間のかかる暮らし方のイメージだ。
ただ、そもそも「丁寧」という言葉はどういう意味なのか、ちゃんと理解できていなかった気がして、調べてみた。
「丁寧」の本来の意味
- 細かいところまで気を配ること。注意深く入念にすること。
語源をたどると、昔の中国で、戦の際に使われていた楽器にたどり着く。
正確には、楽器から鳴る音を表す擬音語だったという説もある。
戦いの場で、攻撃や守りの合図として打ち鳴らされ、注意や警戒、慎重な行動を促すために使われたらしい。
見た目は銅鑼(ドラ)によく似ている。
銅鑼も古代中国の戦で使われていたというから、もしかしたら同じものを指していたのかもしれない。
つまり「丁寧」とは、物事を円滑に進めるための気配りや、念入りな注意を指す言葉だということだ。
私がそれまで「丁寧」という言葉に持っていたイメージは、「大事に、そっと、慎重に、誠実に、きれいに、整然と」といったものだった。
「注意して」という部分は合っていたが、それ以外は少しずれていたようだ。
本来の意味に立ち返ると、ていねいな暮らしとは、細かなところまで気を配り、注意を向ける暮らしということになる。
ていねいな暮らしに対する声
「ていねいな暮らし」という言葉には、否定的な声も少なくない。
無添加食品や天然素材など、高価なものへのこだわりを前面に出す人や、ていねいな暮らしが絶対的な正解であるかのように発信する人に対する批判だ。
「うざい」「自己顕示欲が強い」といった声もよく見かける。
ただ、本人がその生活を「丁寧だ」と感じているなら、それはその人にとっての「ていねいな暮らし」だ。
他人がとやかく言うことでもないと思う。
批判する側も、発信者の暮らし方が自分の状況や価値観と合わないだけで、どちらが正しいという話でもない。
「どこまで気を配れば細かな気配りか」「何に注意を向けるか」は、人によって違う。
だから大前提として、その人にとってのていねいな暮らしは、他人が定義できるものではないと思っている。
私が考えるていねいな暮らし
では、私にとってのていねいな暮らしとは何か。
本質は、「その時に、自分が前向きになれる暮らし方」だと思っている。
年齢を重ねたり、家庭や仕事の状況が変わったりすれば、前向きになれる暮らし方も変わる。
だから「自分にとってのていねいな暮らしはこれ!」と一つに決める必要はない。
私の場合だと、ものを粗末にせず大切に使うこと、家の中が片付いていること、そのあたりが自分にとってのていねいな暮らしに近い。
大切に扱うものには愛着がわくし、部屋が片付いていると気持ちがスッキリして、やる気が出る。
ていねいな暮らしは「しなければいけない」ものではなく、することでより満足感のある毎日になる、そういうものだと感じている。
だから自分に強制する必要もないし、できていないからといって焦る必要もない。
心に余裕のある時に意識すれば、暮らしがより豊かになる。
余裕がない時でも、できる範囲でやってみるだけで、心を落ち着かせるきっかけになることもある。
どうすればていねいな暮らしができる?
まずは、自分が前向きになれることを整理してみるといい。
「これをすると気持ちいい」「これができると満足する」という感覚を手がかりに、無理なく実践できて、続けられる内容を選ぶ。
実践できないこと、続けられないことは、かえってストレスになる。
ていねいな暮らしのコツをひとつ挙げるなら、完璧を目指さないことだと思う。
SNSで見かける理想の暮らしをそのまま真似しようとすると、ほとんどの場合、長続きしない。
誰かの正解を借りてきても、自分には合わないことが多いからだ。
大切なのは、ていねいな暮らしを「できた」という実感の積み重ねだ。
目標を達成できた、続けられた、という小さな成功体験が自己肯定感を高め、それがまた前向きな気持ちにつながっていく。
もし「やってみたいけど、なんかしっくりこない」と感じるなら、それはあなたがダメなのではなく、まだ自分に合った形を見つけられていないだけかもしれない。
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ていねいな暮らしが続かないときは?
続かないときの答えはシンプルだ。
とにかく、ハードルを下げる。
どんなに小さなことでも、一つできたら自分を褒める。
やるかやらないかのゼロイチで言えば、小さなことでもイチだから。
ただし、ゴミはゴミ箱に捨てるといった当たり前すぎる内容ではあまり意味がない。
できて当たり前のことを達成しても、満足感は得づらいからだ。
だから、一歩だけ先の目標にする。
また、最終目標までを段階分けするのも有効だ。
例えば、「キッチンのシンクを常にキレイに保つ」という目標を立てたとしよう。
いきなりピカピカにしようとするのではなく、まず使った食器を水に浸けておいて、後から洗いやすくする。
それだけでいい。
次に「今なら皿洗いしてもいいかも」と思ったタイミングで、まず水栓をひねる。
なんでもいいから、関連することを一つ始める。
そうすると、途中でやめると気持ち悪い、という感情が自然と出てくる。
結果、皿洗いをするようになる。
以前より少しでもシンクがきれいな状態を保てていて、それで気持ちがスッキリするなら、それだけで十分にていねいな暮らしと呼んでいいと思う。
まとめ
ていねいな暮らしは、特別な道具や高価な食材が必要なわけでも、毎日完璧にこなさなければいけないわけでもない。
本来の意味に立ち返れば、「細かなところまで気を配る」こと。
それだけだ。
何に気を配るかは、自分が決めていい。
片付いた部屋が好きなら、それでいい。
好きなカップでコーヒーを飲む時間が心地いいなら、それでいい。
自分が前向きになれることであれば、どんな小さなことだって、ていねいな暮らしと呼んでいいと思う。
ていねいな暮らしは、今の暮らしをより豊かにしたり、落ち込んだ気持ちを少しだけ前向きに切り替えるための、一つの手段だ。
手段だから、うまく使えばいい。
使いこなせない時期があっても、それでいい。
まずはひとつだけ、試してみてほしい。
「これくらいなら続けられそう」と思えるものを、ひとつだけ。
続けられたら、それがあなたにとってのていねいな暮らしの第一歩になる。

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