玉ねぎ「ネオアース」の特徴と失敗しない育て方|苗づくりから保存方法まで

木製のデスクに革表紙の手帳・コーヒーカップ・多肉植物が置かれたシンプルな部屋。左側に『玉ねぎ「ネオアース」の特徴と失敗しない育て方』のテキスト入り 食と農
この記事は約35分で読めます。

ネオアースは、家庭菜園でも育てやすいと人気の玉ねぎです。

ただ、肥料をあげすぎると、うまく育たないこともある品種です。

この記事では、苗づくりから、植え付け・追肥・収穫・保存まで、順番にそってやり方をまとめました。

タキイ種苗やJA、農業試験場など、信頼できる情報をもとにしています。

むずかしい言葉もできるだけ分かりやすく説明しているので、はじめてネオアースを育てる方でも、迷わず進められるようになっています。

ネオアースってどんな品種?

ここでは、ネオアースがどんな玉ねぎなのか、基本的な特徴を紹介します。

見た目・大きさ・保存の強さ

玉ねぎの形は、大きく3つに分かれます。

扁平形(へんぺいけい=平たい形)、球形(きゅうけい=丸い形)、紡錘形(ぼうすいけい=細長い形)です。

ネオアースは、このうち球形に育ちます。

玉ねぎの3つの形、扁平形・球形・紡錘形の比較イラスト

皮は濃い茶色で、つやがあるのが特徴です。

大きさは、1個あたり350gほどが目安です。

実がよく締まっていて、傷みにくいのもポイントです。

乾燥させてから、翌年3月頃まで保存できます。

収穫はいつ頃?早生・晩生のどこに入る?

玉ねぎは、育つ早さによって4つのタイプに分けられます。

ネオアースは「中晩生(ちゅうばんせい)」というタイプで、育つのがやや遅めの品種です。

玉ねぎの早生・中生・中晩生・晩生ごとの栽培期間を示すグラフ

種まきは、9月中旬あたりが目安です。

苗を植えるのは11月中旬、収穫は翌年の6月上旬というのが、おおまかな流れになります。

基本的に、玉ねぎの苗を植えるのは秋です。

今すぐ植えたいという場合もあるかもしれませんが、以下の記事では、適期をはずして植えるとどうなるかをくわしく解説していますので、あわせて読んでみてください。

どんな食べ方がおすすめ?

ネオアースは水分が少なめで、生で食べると辛みを感じやすいタイプです。

加熱すると、辛みがやわらいで甘みを感じやすくなります。

辛み成分が熱で分解され、さらに水分が抜けて糖分の濃度が上がるためです。

こうした理由から、ネオアースは煮物や炒め物に使うと美味しく食べられます。

ちなみに、春先に出回る「新玉ねぎ」は、ネオアースと比べると水分が多く、辛みを感じにくいのが特徴です。

サラダなど、生で食べる機会が多い場合は、早く育つ早生(わせ)の品種を選ぶという方法もあります。

煮物や炒め物に使われた玉ねぎ料理の写真

ネオアースを育てるときに気をつけたいこと

ネオアースは、肥料を吸う力が強い品種です。

肥料を多めに与えすぎると、その分をぐんぐん吸収してしまい、冬が来るまでに育ちすぎてしまうことがあります。

育ちすぎると、実の締まりが悪くなったり、花芽(はなめ=花になる芽)が出てしまう「とう立ち」を起こしたりします。

これを防ぐには、与える肥料の量とタイミングを必ず守ることが大切です。

肥料の与えすぎで育ちすぎた玉ねぎのイメージ写真

ネオアース栽培|作業の流れ

ここでは、種まきから収穫までの、大まかな流れを紹介します。

種まきから収穫・乾燥まで、全体でおよそ10ヶ月かかります。

これは中間地(関東や東北南部など、日本の中央あたりの地域)を基準にした場合の目安です。

地域によって時期は違うので、正確な時期は種の袋に書かれた表示を確認してください。

種まきから収穫までの作業の流れを示す図解

近年は気候の変化によって、これまでの目安通りに進まないこともあります。

実際の生育の様子を見ながら進めてください。

準備するもの

ネオアースを育てるために、まず準備しておきたいものをまとめました。

苗から育てる場合は、種・セルトレイ・培養土は不要です。

各アイテムには、参考としてAmazon・楽天市場の商品一覧リンクを付けています。

お近くのお店で見つからない場合や、実際の商品を見てみたい場合に活用してください。

ネオアース栽培に必要な道具と資材の一覧写真

1袋あたり300粒以上入っていて、種袋には2.5ml・5mlといった容量で書かれています(玉ねぎの場合1mlあたり130粒前後)。

お庭の家庭菜園くらいの広さなら、一番容量の少ない袋を買えば十分足りるでしょう。

種の大きさは2mm程度で、ゴマ粒ほどしかありません。

小さすぎてまくのがかなり大変なので、できれば「ペレット種子」を使いましょう。

ペレット種子は、種1粒を粘土のような素材で包んで固めたもの。

大きさにして4mm程度です。

ペレット種子の方が少し割高ですが、抜群にまきやすいです。

ただし、ペレット種子は通常の種より寿命が短いため、翌年まで持ち越すと発芽率が落ちやすい点には注意が必要です。

種からの苗づくりを選ぶ場合、9月中旬時点で日中の気温が25℃を超えるような地域では、発芽がうまくいかないことがあります。

そういった場合は、苗を購入する方が確実です。

【参考】 楽天市場で見る

セルトレイ(プラグトレイ)

苗を育てるのに使うトレイです。

「プラグトレイ」と呼ばれることもありますが、ものとしては同じです。

トレイには苗を育てるための穴がたくさん空いていて、トレイ自体の大きさは縦30cm・横50cmくらいのものが主流です。

穴の大きさ・数によっていくつか種類があり、育てる作物によって(正確にはどのくらいの大きさまで苗を育てるかによって)選びます。

玉ねぎの場合、1トレイに128~200個の穴が空いているものを選びましょう。

またトレイの素材も、固いプラスチック製の「ハードタイプ」と、柔らかいプラスチック製の「ソフトタイプ」の2種類があります。 

毎年使うのであれば固い方でもよいですが、初めての場合は、安価で使い捨てできる柔らかい方でよいでしょう。

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種まき用培養土

セルトレイには、畑の土ではなく培養土を入れて苗を育てます。

使うのは「種まき用培養土」です。

そもそも培養土は、栄養や排水・保水性などが整えられた土で、大きく分けると、様々な野菜・花に使える「汎用タイプ」と、特定の用途に適した「専用タイプ」があります。

専用タイプの中に「種まき用培養土」もあり、汎用タイプに比べて、種の発芽がしやすい状態が作られています。

種にはもともと、発芽に必要な栄養が含まれているため、「種まき用培養土」には、チッソ・リン酸・カリなどの主要な栄養はほとんど含まれていないのが特徴です。

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この記事では、種まき(苗づくり)の手順から紹介しますが、もっと手軽に栽培したい方は、苗を購入してしまうのもひとつの方法です。

玉ねぎの苗は、ホームセンターなどでは10月中旬~11月中旬ごろから並び始めます。

ネオアースの苗植えに適した時期は11月中旬なので、それより少し早くお店に並びます。

苗と聞くと、ポットに植えられた苗を想像するかもしれませんが、玉ねぎの場合は、根がむき出しの「裸苗(はだかなえ)」が主流です。

50~100本の束で売られているので、育てたい本数に合わせて選びましょう。 

ポット苗で購入しても良いですが、植え付けの時に株を分けるのが結構手間なので、裸苗の方がおすすめです。

苗は生きものなので、お店によって状態に差が出やすいです。購入前に口コミも確認しておくと安心です。 

苗を買ってから植えるまで日にちが空く時は、根の部分を濡らしたキッチンペーパー等で包み、根がつかる程度の水につけ、立てて保管しましょう。

水は毎日交換が必要です。

なお、保管できるのは1週間くらいが目安です。

それ以上の保管は苗の負担になるため、植え付けの時期を考えて購入することをおすすめします。

※ 記載されている時期は、中間地(関東や東北南部など、日本の中央あたりの地域)を基準にした場合の目安です。

【参考】 Amazonで見る

棒(鉛筆など)

セルトレイの底から苗を押し出すときに使います。

底穴の直径(8mmほど)に近い、鉛筆程度の太さのものを選びましょう。

細すぎると根鉢を突き抜けて根を傷つけたり、うまく押し出せなかったりします。

活力剤をかき混ぜる棒

活力剤を水で薄めるとき、かき混ぜるのに使います。

割り箸などで大丈夫です。

キッチンスケール

苦土石灰・化成肥料など、グラム単位で計量する場面で使います。

土や肥料が付くため、 普段使いの料理用スケールは使いまわさず、専用に1つ用意しましょう。

なお、堆肥(kg単位)は、多少の増減は問題ないため、厳密な計量は不要です。

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苦土石灰(くどせっかい)

玉ねぎは、弱酸性~中性(pH6.0~6.5)の土を好みますが、日本の土は酸性に傾きやすい傾向があります。

苦土石灰は、玉ねぎが好むpHに近づけるために使います。

粉状と粒状の2タイプがあります。

粉状は安価ですが、風で飛び散りやすいので注意が必要です。

扱いやすさを重視するなら、粒状タイプがおすすめです。 

玉ねぎ栽培で使う量は、1㎡あたり100~150g。

畑の中の玉ねぎをつくる範囲の面積から、必要な量を計算しておきましょう。

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堆肥(たいひ)

堆肥は、土に栄養と微生物を補い、土をふかふかにするために使います。

おすすめは「牛糞(ぎゅうふん)堆肥」です。

牛糞は、

・玉ねぎがもつ酵素と相性がよい

・土壌改良効果が高い(すごく簡単に言うとふかふかになる)

・完熟ならにおいが少ない

という特徴があります。

玉ねぎ栽培で使う量は、1㎡あたり2~3kgが目安です。

次点として「豚糞(とんぷん)」もおすすめですが、土壌改良効果が牛糞より少し下がることと、牛糞と比べてにおいが出やすいです。

堆肥には他にも、鶏糞(けいふん)、腐葉土などがありますが、鶏糞は肥料効果が高いが匂いがきつい、腐葉土は土壌改良効果はあるが肥料効果がないなど、それぞれ使い分けが必要です。

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肥料

使うのは「化成肥料(かせいひりょう)」と「リン酸」です。

化成肥料は小さな粒状で、1粒の中に、肥料の三要素と言われる「窒素・リン酸・カリウム」全てが含まれています。

ただ、三要素の含まれる割合が商品によって異なり、8-8-8(単位は%)や12-10-8などいくつかの種類があります。

おすすめは「8-8-8」のバランスがとれたタイプです。

12-12-12など、同じくバランスは取れているが濃度の高い商品もありますが、これだと少しの量の違いで効き方の差が大きくなるので、失敗のリスクが高まります。

濃度の高い肥料は、栽培にある程度慣れてから使う方が良いでしょう。

8-8-8の場合、元肥として使う量は1㎡あたり100gが目安です。

リン酸は、言葉の通り「リン酸」が主となる肥料です。

玉ねぎは三要素の中でも特にリン酸を多く必要とするため、土づくりの段階でリン酸を多く投入します。

よく使われるのは、

・過リン酸石灰(かりんさんせっかい)

・骨粉(こっぷん)

・熔リン(ようりん)

あたりで、どれを選んでも構いません。

価格や入手のしやすさで選んでみてください。

使う量は、過リン酸石灰の場合で1㎡あたり30gが目安です。

【参考:化成肥料】 Amazonで見る楽天市場で見る 【参考:過リン酸石灰】 Amazonで見る楽天市場で見る

活力剤

活力剤は、肥料と混同されやすいですが、役割が違います。

肥料が「栄養そのもの」を補うのに対して、活力剤は、根が新しい土になじむのを助ける資材です。

そのため、成分は肥料の三要素(窒素・リン酸・カリウム)ではなく、カルシウムなど別の成分が中心です。

代表的なものに「リキダス」があります。

リキダスの場合は、500〜1,000倍に薄めて使います。

植え付けの際、根がまだ土になじんでいない時期に水やり代わりに与えると、根の回復を助けてくれます。

使わなくても栽培はできますが、あると植え付け後の安心材料になります。

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ジョウロ

散水ホースがない場合の水やりや、活力剤を与える時に使います。

容量4〜6L程度で、シャワー状に水が出る「ハス口」タイプが、露地栽培の水やりに使いやすいです。

水を入れると重くなるので、片手で持てる重さかどうかも確認しておきましょう。

口が広めのタイプだと、活力剤を混ぜる作業もしやすくなります。

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クワ

畝を立てるときに、土をすくったり、畝の肩を固めたりするのに使います。

「平鍬(ひらぐわ)」というタイプが、畝立てなどの作業に向いていて、初心者にも扱いやすいです。 

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支柱

畝と通路の目印として、ひもを張るために使います。

支える用途ではないので、長さ60cmほど、直径8mm程度の、細くて安いタイプで十分です。 

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グラウンドレーキ(トンボ)または板

畝の表面を平らにならすのに使います。

学校の校庭を整地する時に使う、T字型の道具をイメージすると分かりやすいと思います。

一般的にレーキというのは爪がついていて、砂利や落ち葉を集めたり、土を削ったりしますが、そちらは畝の表面を平らにならすのには向いていません。

畝の表面をならすには、「グラウンドレーキ」または「トンボ」と呼ばれる、爪のない板状のものを選びましょう。 

出番はこの場面だけなので、わざわざ購入せず、木の板などで代用しても問題ありません。

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ひも

畝の目印を立てるとき(支柱の間に張る)と、収穫後に玉ねぎを束ねて吊るして乾燥させるとき、2つの場面で使います。

荷造り用のビニールひもなどで問題ありません。

マルチシート

畑の土を覆うためのビニール製のシートです。

一般的には省略して「マルチ」と呼ばれ、雑草を防いだり、土の水分や温度を保ったりする役割があります。

マルチにはサイズや色の違いや、はじめから植え付け用の穴が空いたものなど、いくつか種類があります。

玉ねぎの場合は、幅95cmで、15cm間隔の穴が空いたもの(色は黒)がおすすめです。

商品には、幅と穴の間隔の数字をとって「9515」と書かれていますので分かりやすいと思います。

ちなみに、畝の幅と穴の間隔は作る作物によって変わります。

もし別な作物にも使えるマルチが良ければ、穴が空いていないタイプを買い、自分で穴をあけてもよいでしょう。

穴あけ専用の道具は1,000円程度で買えますが、カッターでも簡単に穴あけが可能です。

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不織布(ふしょくふ)

種まき後の土の乾燥を防いだり、冬の寒さから植えたばかりの苗を守ったりする目的で使用する資材です。

種をまく9月中旬ごろはまだ暑さが残っていることがあるので、土が乾燥しないように、セルトレイの上からかぶせます。

土の水分を保つことで、発芽のタイミングもそろいやすくなります。

細かい穴が空いているので、かぶせたまま上から水やりもできます。

また植え付けをする11月中旬頃は、だんだん寒くなってくる時期なので、植えたばかりの苗がしっかり根を張るまでかぶせておきます。

根が張っているかどうかは、

・植え付け後に、2~3枚新しい葉が増えてきた

・苗を軽く引っ張り、簡単に抜けない

この2点が大丈夫なら問題ないでしょう。

選ぶ際は、「べたがけ栽培用」と書かれた、透光率90%程度のタイプがおすすめです。 

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遮光ネット

種まきや苗の植え付け後に、土の温度が上がりすぎるのを防ぐために使います。

種をまいたセルトレイは、土の温度が上がりすぎないよう不織布をかけた後、軒下などの日陰に置きますが、ちょうどよい置き場がないこともあります。

そんな時は、日なたに置いて、不織布のかわりに遮光ネットをかけるという方法が使えます。

遮光ネットを使うのは、一日の最高気温が25℃を超える場合が目安です。

遮光率40〜60%程度のタイプが、育苗には使いやすいです。 

一方、苗の植え付け時期である11月中旬頃の気温はだいたい落ち着いているので、遮光ネットを使うケースはほぼありません。

もし残暑が長引き、前述の最高気温の目安を超えるようなら準備しましょう。

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ネットタイプの野菜ストッカー

乾燥を済ませた玉ねぎを、湿気がこもらないように保存するのに使います。

収穫量に合わせて、無理なく入るサイズを選びましょう。

玉ねぎ同士がぎゅうぎゅうに詰まると、通気性が落ちてしまいます。

吊るして使う場合は、フックなどに掛けられる、持ち手やループが付いたタイプを選ぶと便利です。

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新聞紙・キッチンペーパー

上の「ネットタイプの野菜ストッカー」が準備できず、箱などに入れて保存する際の湿気対策として使います。

使い方は後の章で説明します。

段ボール

ネットタイプの野菜ストッカーを用意できない場合の、保存の代用容器として使います。

ストッカーを用意できる場合は使いません。

はさみ

マルチを切る時と、収穫後に葉を切り落とす時に使います。

マルチを切る作業の方は、家にある普通のはさみで問題ありません。

葉を切る作業は、農作業用のはさみやキッチンバサミがおすすめです。

普通のはさみより切れ味がよく、バネ付きのタイプなら、たくさんの葉を切る作業でも手が疲れにくくなります。

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野菜に使える殺虫剤

ネギアザミウマやアブラムシなど、害虫が発生した時に使います。

パッケージに、どの野菜のどの虫に、どのくらいの回数使えるかが書かれているので、それを確認してから使いましょう。

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粘着テープ

アブラムシを見つけた時、数が少なければテープで取り除けます。

粘着力が強すぎると作物を傷めることがあるため、セロハンテープや養生テープくらいの、粘着力の弱いものを選びましょう。

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苗づくり

必要なものがそろったら、いよいよ苗づくりです。

この作業は、9月中旬ごろに行います(中間地の場合)。

ここでは、種まきから、植え付けできる大きさの苗に育つまでを解説します。

準備物の章でもふれたように、玉ねぎの種は、気温が25℃を超えると発芽率が低下します。

種をまく前に、この先1週間程度の気温を確認しておきましょう。

もし気温が25℃を超える日が続きそうなら、無理に種まきを進めず、他の選択肢を検討しましょう。

品種にこだわらないなら、まだ間に合う晩生(おくて)の品種に切り替える方法があります。

どうしてもネオアースを育てたい場合は、種からではなく苗を購入して育てる方法に切り替えましょう。

苗づくりの方法を選ぶ

苗床とセルトレイ、2つの育苗方法の比較写真

苗を育てる方法には、大きく2つあります。

畑の一角に「苗床(なえどこ=苗を育てるための小さな区画)」を作る方法と、セルトレイを使う方法です。

苗床は、畑の土をそのまま使うので、トレイや専用の培養土を買う必要がありません。

その代わり、動かすことができないため、台風などの悪天候に見舞われると、苗が大きなダメージを受けてしまうことがあります。

セルトレイは、トレイと培養土の費用がかかりますが、悪天候が予想される時は室内に避難させることができます。

苗床での苗づくりは、天候や土の状態などの知識がある程度必要です。

その点、場所を移せて培養土を使うセルトレイは、比較的失敗しにくいです。

迷ったら、セルトレイから始めるのがおすすめです。

苗づくりの手順

① セルトレイに種まき用培養土を入れる

トレイ全体に、まずは大きな1つの山ができるくらい多めに盛りましょう。

山を、セルトレイの縁より2cmほど高い状態までざっくりはらいます。

手のひら全体を使って軽く押さえ、穴の中の隙間をなくします。

(指先で押すと力が集中して、押し固めすぎてしまいます)

最後に、縁からあふれた分をはらって、高さを揃えます。

② 指先で、深さ5mmほどのくぼみを作る

1つのセルに1つ、指先で軽くくぼみを作ります。

深さの目安は5mmほどです。

③ 種を1粒ずつまく

くぼみの中に、種を1粒ずつ入れます。

種は生き物なので個体差があり、すべてが必ず発芽するとは限りません。

なので、作りたい苗の数より、少し多めにまいておくと安心です。

④ 培養土をかぶせる

①と同じように、トレイ全体に培養土をかぶせましょう。

厚みの目安は、セルトレイの縁より1〜2cm高いくらい。

手のひらで上から軽く押さえたら、縁からあふれた培養土をはらいます。

玉ねぎの種は、光に当たると発芽しにくくなる「嫌光性種子(けんこうせいしゅし)」。

培養土をしっかりとかけることで、光を遮りつつ、乾燥防止・害虫予防にもつながります。

⑤ たっぷりと水を与える

セルトレイの底から水が染み出るくらいを目安に、たっぷりと水をやりましょう。

表面だけ濡らすと、土の中まで水が届かず、発芽に必要な水分が不足してしまいます。

一気に注ぐと、水が土になじむ前にあふれてしまうことがあるので、2〜3回に分けて与えます。

1回与えたら、水が土にしっかり染み込んだのを確認してから、次を与えましょう。

発芽まで(目安1週間)は、毎日、土の乾き具合を確認してください。

⑥ 直射日光を避けた場所に置く

種をまいたセルトレイは、軒下などの日陰に置き、不織布をかけましょう。

直射日光が当たると、培養土の温度が急上昇して、発芽に適した温度を超えてしまうことがあります。

ちょうどよい日陰がない場合は、日なたに置いて、不織布の代わりに遮光ネットをかけます(一日の最高気温が25℃を超える見込みの日が目安です)。

不織布・遮光ネットは、風で飛ばされないよう、端を石などで軽く押さえておきましょう。

植え付け場所の準備

苗を育てている間に、植え付け先の畑も準備しておきましょう。

ここでは、土づくりから畝立てまでの手順を解説します。

なお、玉ねぎは連作障害(れんさくしょうがい=同じ場所で同じ野菜を作り続けることで起きる生育不良)が比較的出にくい野菜なので、去年と同じ場所で育てても大きな心配はいりません。

ただし、4年以上同じ場所で作り続けると、障害が出やすくなることがあります。

土づくりの手順

①水はけを確認する

まず、植える場所の水はけを確認しておきましょう。この後の畝立てが必要かどうかを判断する材料になります。

雨上がりの土を一握り、ぎゅっと握ってみましょう。

・そもそも塊にならず、サラサラと崩れる場合は、砂質の土です。水はけは良いですが、乾燥しやすいという別の注意点があります。

・塊になり、指で押すとすぐ崩れる場合は、水はけの良い土です。

・塊になり、指で押しても崩れない場合は、水はけが悪い可能性があります。

水はけが悪いと感じたら、次の章で説明する「畝立て(うねたて)」を必ず行いましょう。

土を握って水はけを確認する手順のイラスト

②苦土石灰をまいて耕す

苦土石灰を、1㎡あたり100~150gを目安にまいて、土とよく混ぜます。

苦土石灰は水に溶けにくく、じっくり土に反応していくので、植え付けの2週間以上前には済ませておきましょう。

この作業は、土が乾いている日に行います。

カラカラに乾いている必要はなく、土を握って軽い塊になり、指で押すとすぐ崩れる状態であれば十分です。

まいたらすぐ耕して土になじませ、その後は雨が降っても問題ありません。

なお、次の③で使う堆肥の発酵が十分でない場合、この作業もあわせて前倒しする必要があります。詳しくは③で説明します。 

③堆肥と肥料をまいて耕す

苦土石灰をまいてから1週間ほど置いたら、次は堆肥と肥料をまきます。

堆肥は1㎡あたり2〜3kg、肥料は8-8-8の化成肥料と過リン酸石灰を組み合わせる場合、化成肥料100g・過リン酸石灰30gが1㎡あたりの目安です(専用肥料を使う場合は、パッケージの使用量に従いましょう)。

堆肥と肥料の両方をまいてから、まとめて耕して構いません。

この作業は、植え付けの1週間前までに済ませておきます。

なお、使用する堆肥の発酵が十分でない(強い臭いがする)場合は、通常より早め(植え付けの4週間ほど前)に混ぜ込み、発酵を進ませる必要があります。

この場合、②の苦土石灰もそれに合わせて、植え付けの5週間以上前に前倒ししましょう。 

畝立て・マルチの手順

①畝を立てる

畝(うね)とは、土を盛り上げて作る、一段高い栽培スペースのことです。

まず、畝にする場所と通路になる場所を決め、両端に目印の支柱を立てて、ひもを張っておきます。

ひもの外側(通路になる部分)の土を、クワで畝のスペースに向かってすくい上げていきます。

盛り上げた土は、レーキや板を使って表面を平らにならしましょう。

このとき、畝の幅の中央を両端よりわずかに高くしておくと、雨水が畝の外側に流れ落ちやすくなります(真ん中がくぼんでいると、そこに雨水が溜まってしまいます)。

下のイラストの、緑色の点線の部分をわずかに高くします。

畝立ての断面図、畝の高さと通路の位置関係を示すイラスト

畝の肩(かた=上面と側面の境目にあたる角の部分)は特に崩れやすいので、クワや手で軽く押さえて固めておきましょう。

畝の高さは15〜20cm、幅は90〜100cm程度が目安です。

畝を立てることで、余分な水が畝の外に流れやすくなり、根が水に浸かったままになるのを防げます。

また、栽培する場所と通路がはっきり分かれるため、根が張っている場所を踏み固めてしまう心配もありません。

一方、畝を立てずに平らな地面で育てる方法もあります。

畝がない分、保水性が高まり、植え付けられる範囲も広く取れます(ただしその分、根が張った場所を人が歩いて踏み固めてしまうリスクもあります)。

畝を立てなくても作物は植えられますが、雨の影響で土が固くなりやすいというデメリットがあります。

畝を立ててマルチを張っておけば、雨が直接土に当たるのも防げるため、ふかふかな状態を長く保ちやすくなります。

そのため、水はけが良い畑であっても、畝を立てておいた方が、後々の管理が楽になります。

②土が乾いていたら、水で湿らせる

マルチを張る前に、畝の土が乾いていたら、たっぷりと水をやり湿らせておきます。

マルチを張ったあとは植え穴からしか水が入らないため、植え付け後の水切れを防ぐために、この段階で全体にまんべんなく水を与える必要があります。

なお、雨上がりなど、すでに土が湿っている場合は、この作業は不要です。

ちなみに湿り気の目安は、土をぎゅっと握ってかたまりになればOKです。

③マルチを張る

畝の準備ができたら、マルチを張ります。

まず、マルチの中心線を畝の中心に合わせながら、畝の片側の端に置きます。

端から少し長めにマルチを残し、その部分に土をかぶせて仮押さえします。

つぎにロールを転がしながら、畝の反対側の端までマルチを伸ばしたら、最初と同じように少し長めに残してハサミで切ります。

最後に、マルチの4辺すべての端に土をかけ、足で踏み固め、マルチが飛ばないようにします。

マルチをピンと張るコツは、まず1辺を固めてから、その向かい側の辺を少し引っ張りながら固めることです。

細かいことですが、風が強いと作業しづらいので、天気予報を確認しながら作業日を決めましょう。

植え付け

苗と畑、どちらの準備も整ったら、いよいよ植え付けです。

ここでは、苗の選び方から植え付けの手順までを解説します。

苗の選び方・大きさの目安

植え付けの前に、まず苗の状態を確認しておきましょう。

チェックするポイントは、次の4つです。

・根が白くしっかり生えそろっている

・茎の太さは鉛筆くらい

・草丈は20〜25cm

・葉の枚数は3〜4枚

根が傷んでいたり、黄色く変色していたりすると、根付きが遅れたり、畑に病気を持ち込んでしまったりすることがあります。

また大きく育ちすぎた苗が冬の寒さに当たると、花芽(はなめ=花のもとになる芽)ができやすくなり、「とう立ち」(花芽から茎が伸びて花が咲いてしまうこと)を起こしてしまいます。

とう立ちすると、栄養が花の方に取られてしまい、球が大きく育ちません。

逆に、苗が小さすぎると、寒さで枯れてしまったり、冬を越しても春にうまく育たなかったりします。

大きすぎず、小さすぎない。

このバランスを意識して苗を選びましょう。

植え付けの手順

苗の根は非常に繊細で、植え付け作業中に傷つけてしまうと、上手く水や栄養が吸えなくなり、最悪枯れることもあります。

植え付ける際は、根を傷つけないように気をつけましょう。

①セルトレイの培養土を湿らせる

培養土が乾いていると、苗を取り出すときに根鉢(ねばち=根が培養土と絡まって一体化した状態)が崩れやすくなります。

乾いている場合は、あらかじめ軽く水をかけて湿らせておきましょう。

②植え穴を掘る

苗は、白い部分が地上に1cmほど見える深さに植えるのが目安です。

この深さを目安に、マルチの穴の中心に穴を掘りますが、穴の間隔は15cmで空いているため、そのまま植えるだけで玉ねぎに適した株間(苗同士の間隔)を確保できます。

植える予定の数ぶん、先に掘っておきましょう。

苗を引き抜いてから穴を掘り始めると、根が空気に触れる時間が長くなり、傷んでしまうためです。

③苗を植える

セルトレイの底穴(直径8mmほど)に、穴のサイズに近い太さの棒(鉛筆など)を差し込み、下から土ごと押し出して取り出します。

セルトレイの底穴から苗を棒で押し出す様子のイラスト

棒が細すぎると、根鉢を突き抜けてしまい、うまく押し出せないことがあるので注意しましょう。

取り出した苗は、1本ずつすぐに②の穴へ植えます。

まとめて何本も引き抜いてから植えるのではなく、1本引き抜くごとに植え付けまで終わらせましょう。

④土を戻して軽く押さえる

苗の周りに土を戻し、手のひらで軽く押さえ、根鉢と畑の土の隙間を埋めます。

⑤水を与える

たっぷりと水を与えます。

活力剤を使う場合は、このタイミングで株元に与えると根の活着(かっちゃく=苗の根が新しい土になじんで、しっかり根を張ること)を助けられます。

活力剤の使い方は、次の章で詳しく説明します。

リキダスなどの活力剤で根の活着をサポート

活力剤を使う場合は、水1Lに対して1mlが目安です。

5Lのジョウロなら、水を5Lのラインまで入れてから、活力剤を5ml加えると、規定の1,000倍に薄められます。

先に活力剤を入れると泡立ってしまうため、水を入れてから活力剤を加え、棒でよくかき混ぜましょう。

活力剤は容器の底に成分が沈殿しやすいので、使う前によく振っておくことも忘れずに。

商品によって希釈倍率が異なるので、必ずラベルを確認しましょう。

・リキダス:500〜1,000倍

・メネデール:100倍

・HB-101:1,000倍

活力剤は、必ず使わなければいけないわけではありません。

ただ、植え付け作業でどれだけ丁寧に扱っても、目に見えないレベルで根が傷つくことはあります。

傷が深かったり多かったりすると、活着が遅れて、そのまま枯れてしまうこともあります。

活力剤には、この根の回復を助ける働きがあるため、心配な場合は使っておくと安心です。

植え付け後の水やり

苗の植え付けから根付くまでの1週間〜10日ほどは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。

その後、冬の間(12月〜2月頃)は、基本的に自然の雨にまかせて大丈夫です。

雨が降らず乾燥が続くようなら、その都度水を与えましょう。

3月以降、気温が上がって球が肥大し始めると、土が乾きやすくなります。

水切れを起こすと球が大きく育たないため、この時期は土の表面をこまめに確認し、乾いていたら水を与えましょう。

追肥

植え付けから1ヶ月ほど経ち、苗がしっかり根付いてきたら、次は追肥です。

ここでは、追肥の時期や量、うっかり忘れてしまったときの対処法まで解説します。

①1月上旬・2月上旬・3月上旬に、化成肥料をまく

8-8-8の化成肥料を、1回あたり1㎡あたり30〜40g程度を目安に、株元にまきます。

「8-8-8」は、袋に書かれているチッソ・リン酸・カリの配合割合(%)を表す数字です。

同じような配合の化成肥料でも、14-14-14のように濃度の高いタイプもありますが、少しの量の違いで効き方の差が大きくなるので、8-8-8のような低めの濃度を選んでおくと失敗しにくくなります。

なお、濃度の高いタイプを使う場合は、1回あたりの量がこれより少なくなるので、商品の使用量表示を確認してください。

3回とも決まった時期に行い、量も毎回同じくらいにしましょう。

目分量ではなく、必ず計量してから与えてください。

ネオアースは肥料の吸収力が強く、少しの与えすぎでも育ちすぎにつながりやすい品種です。

万が一予定日に与えられなかった場合は、気づいた時点ですぐに与えましょう。

遅れた分だけ土の中の肥料が不足し、生育に影響が出る可能性があります。

ただし、3月上旬の止め肥(とめごえ=収穫前の最後の追肥)の時期を過ぎてから気づいた場合は、追肥してはいけません。

②止め肥の時期は、絶対に遅らせない

ネオアースの止め肥の時期は3月上旬で、これ以降は、追肥を一切行いません。

止め肥が遅れると、肥料が効いたまま収穫期を迎えてしまい、葉ばかりが茂って玉の締まりが悪くなったり、暑さや雨の多い梅雨時の収穫になって腐りやすくなったりします。

③生育の様子を確認する

追肥のタイミングの前後で、葉の色や生育の様子もあわせて確認しておきましょう。

葉の色が薄い、生育が鈍いと感じた場合は、まず害虫や病気がないかを確認してください。

病害虫が見当たらない場合は、肥料切れの可能性があります。

規定通りに追肥していても、大雨や畑の傾斜によって肥料が流れてしまい、想定より効果が薄れることがあります。

④肥料切れのサインが出たら、液体肥料で応急処置

止め肥(3月上旬)より前であれば、液体肥料を1週間ごとに2〜3回与えることで、生育の回復が期待できます。

止め肥の時期を過ぎている場合は、肥料切れのサインが出ていても追肥は行いません。

液体肥料も与えすぎると、化成肥料と同じ原理で「肥料焼け」を起こすことがあります。

必ず規定の希釈倍率を守りましょう。

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収穫

追肥が終わったら、あとは収穫を待つだけです。

ここでは、収穫のタイミングの見極め方から、収穫が早すぎたり遅すぎたりした場合にどうなるかまでを解説します。

収穫の手順

①葉が倒れたら、水やりを止める

球への栄養の蓄積が進むと、葉が倒伏(とうふく=倒れること)しはじめます。

全体の7〜8割が倒伏したら、栄養が十分に蓄積されたサインです。

これ以降は、土の表面が乾いていても、水を与えないようにしましょう。

収穫前に水分を与えすぎると、球が水を吸いすぎて水っぽくなったり、貯蔵中に腐りやすくなったりするためです。

葉が倒伏したネオアースの畑の写真

②倒伏を確認したら、1週間ほど待つ

倒伏から1週間ほど待つことで、首(葉の付け根)の水分が自然に抜けて締まり、保存性が高まります。

これより早すぎても遅すぎても、球の仕上がりに影響が出るので注意しましょう(詳しくはこのあとの章で説明します)。

③収穫する

葉の付け根をつかんで、真上に引き抜きます。

根がしっかり張っていて抜けない場合は、球を傷つけないように周りを軽く掘ってから引き抜きましょう。

雨の日に収穫して、次の作業まで表面が濡れたまま保管すると、菌が繁殖しやすくなります。

なるべく晴れの日を選んで収穫しましょう。

収穫タイミングを外すとどうなる?

収穫が早すぎると、球が十分に育たず小さいままになります。

首(葉の付け根)もまだ水分を多く含んでいて締まりきっていないため、その隙間から菌が入りやすく、保存中に傷みやすくなります。

逆に収穫が遅すぎると、球が水分を吸いすぎて、皮が割れる「裂球(れっきゅう)」が起きやすくなります。

倒伏から10日以上放置すると、この裂球のリスクが特に高まるので注意しましょう。

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乾燥

収穫が終わったら、次は乾燥です。

ここでは、なぜ乾燥が必要なのか、具体的な干し方までを解説します。

なぜ乾燥が必要か

収穫直後の球は、まだ水分を多く含んだ状態です。

このまま保存すると、水分の多さから菌が繁殖しやすく、傷みやすくなってしまいます。

乾燥させることで、外側の皮が膜の役割を果たし、内部の水分が保たれたまま、外からの菌の侵入を防げるようになります。

乾燥の手順

ここから具体的な乾燥の手順を説明します。

①畑で天日干しする

収穫した球を1〜2日ほど畑に並べて、葉と根を切らずにそのまま天日干しします。

根の部分は乾きにくいため、特に重点的に乾燥させないといけません。

球を横に寝かせて、根をなるべく南向きに置くようにすると、効率よく日に当てられます。

収穫日を含めて、少なくとも2〜3日ほど晴れが続くタイミングを選んで収穫できるとベストです。

②葉と根を切る

天日干しが終わったら、葉を15〜20cmほど残してカットし、根も切り落とします。

収穫後すぐに葉を切ってしまうと、切り口から出た汁がカビの原因になることがあります。

それを防ぐために、①の天日干しをしてから切る必要があります。

③吊るす

数球ずつひもで束ねて吊るします。

直射日光と雨が当たらない、風通しの良い場所を選びましょう。

軒下がない場合は、ガレージや室内でも代用できます。

ただし、窓を開けるなどして風通しを確保しましょう。

④乾燥完了の目安

期間の目安は2〜4週間ほどです。

皮も葉もパリパリに乾けば、乾燥完了のサインです。

乾燥が完了し、皮と葉がパリパリになったネオアースの写真

保存方法

乾燥が終わったら、収穫した玉ねぎを保存していきます。

ここでは、保存に適した条件から、吊るせない場合の代用方法、季節ごとの注意点までを解説します。

適切な保存方法

吊るして乾燥させていた玉ねぎのひもをほどいて、保存に移りましょう。

玉ねぎの保存に適した条件は、直射日光が当たらず、湿気を避けられる、15℃以下の場所です。

ビニール袋のような密閉性の高い袋は湿気がこもりやすいため、ネットタイプの野菜ストッカーに入れて保存しましょう。

吊るせる場所があれば、吊るすとより通気性が高まります。

ネット自体がない場合は、乾いた新聞紙やキッチンペーパーで1つずつ包み、蓋を開けた段ボールに入れておくと、一時的な湿気対策にはなります。

ただ、紙が吸える湿気の量には限りがあるため、なるべく早くネットでの保存に切り替えるのがおすすめです。

なお、大量に収穫した場合、すべてをキッチンに保存できないお宅も多いと思います。

その時は、1ヶ月くらいで使える分だけをキッチンに置き、残りは、玄関や廊下など人の出入りがあって空気が動きやすい場所がおすすめです。

納戸のような締め切られた収納スペースは、空気がこもりやすいため避けましょう。

夏場や、屋外で凍ってしまう時期は冷蔵庫へ

保管場所の温度が15℃を超える、または屋外に保管していて氷点下になる場合は、冷蔵庫での保存に切り替えましょう。

野菜室は一般的に、野菜の乾燥を防ぐために、あえて湿度を高く保つ設計になっていることが多く、多湿を嫌う玉ねぎには不向きです。

冷蔵室(野菜室以外の通常のスペース)の方が、比較的乾燥しているため適しています。

玉ねぎを裸のまま入れると乾燥しすぎてしまうので、新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れましょう。

湿気がこもらないよう、袋の口は軽く閉じる程度にします。

冷蔵庫での保存で気をつけたいのが、玉ねぎの芽を出やすくさせるエチレンガスです。

特に多く発生させるのがリンゴです。

玉ねぎとリンゴを冷蔵庫に入れる際は、別々の袋に入れ、リンゴの方はしっかりと密封しておきましょう。

冷凍保存もできる

玉ねぎは冷凍して保存することもできます。

栄養価については、ビタミンCなどの一部の水溶性成分が少し減りますが、大きく損なわれることはありません。

一方、味については、冷凍することで辛味成分が分解され、甘みを感じやすくなります。

丸ごと冷凍すると、解凍後に水っぽくなって調理がしづらいため、料理に使う形にカットしてから冷凍するのがおすすめです。

冷凍での保存期間の目安は3〜4週間です。

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病気・害虫対策

ここでは、ネオアース栽培で特に注意したい病気と害虫についてまとめます。

なお、予防のポイントの多くは、すでにこの記事で解説した内容(水はけの良い畝、適切な株間、健全な苗選び、完熟堆肥の使用)と重なります。

基本を守ること自体が、病害虫対策にもなります。

注意したい病気

①べと病

葉に、黄色っぽい大きめの斑点ができ、進行すると葉全体が黄色くなって枯れていきます。

気温15℃前後で、雨が多く湿度が高い時期に発生しやすい病気です。

予防は、株間を空けて風通しを良くすること、水はけの良い畝で育てることです。

発病した株を見つけたら、周りの土ごと取り除き、畑の外で処分しましょう。

土の中に菌が長く残るため、同じ場所で続けて育てるのも避けた方が安心です。

②軟腐病(なんぷびょう)

株の根元や球が、水を含んだようにブヨブヨと腐り、進行すると悪臭を放ちます。

水はけの悪い土や、高温多湿の環境で発生しやすくなります。

予防は、水はけの良い畝づくりです。

発病した株は、見つけ次第取り除きましょう。

③苗立枯病(なえたちがれびょう)

発芽してすぐの頃や、苗を育てている間に発生します。

苗の根元に近い部分がくびれて白っぽく変色し、そのまま倒れて枯れてしまいます。

予防は、清潔な種まき用培養土を使うこと(この記事の準備物ですでに使用)、水のやりすぎを避けることです。

発病した苗は、他に広がる前に取り除きましょう。

④乾腐病(かんぷびょう)・灰色腐敗病(はいいろふはいびょう)・りん片腐敗病(りんぺんふはいびょう)

保存中に球が傷んでくる病気には、主にこの3つがあります。

いずれも見た目が似ているため、判断に迷うことがあります。

球全体がべとべとに軟化し、いやな臭いがする場合は、乾腐病の可能性が高いです。

一方、臭いはあまりなく、球の表面に灰色のカビと黒い小さな粒(菌核)が見られる場合は、灰色腐敗病が疑われます。

また、皮だけが茶色く変色していて、乾腐病のような強い臭いがない場合は、りん片腐敗病と考えられます。

どの病気も、収穫後にしっかり乾燥させ、傷をつけないように扱うことで予防できます。

もし発病した球を見つけたら、周りの玉ねぎに広がらないよう、すぐに取り除きましょう。

注意したい害虫

①ネギアザミウマ

葉の表面に、白いかすり状の模様が出てきたら、ネギアザミウマの仕業かもしれません。

体長1mmほどの小さな虫が、葉の表面を舐めるようにして汁を吸うため、このような跡が残ります。

とても小さいので見つけにくく、増えてしまうと駆除が難しくなる、厄介な虫です。

見つけたら、被害が広がる前に、野菜に使える殺虫剤で早めに対処しましょう。

②アブラムシ

葉に黒くて小さな虫が群がっていたら、アブラムシです。

汁を吸われた葉は元気がなくなり、大量発生すると株全体が黒っぽく見えることもあります。

数が少ないうちは、粘着テープなどで取り除きましょう。

数が多い場合は、野菜に使える殺虫剤で対処します。

③ネキリムシ・タネバエ

夜の間に苗の根元をかじられて、苗が倒れていたら、ネキリムシの仕業です。

夜行性で昼間は土の中に隠れているため、見つけにくい害虫です。

また、未熟な堆肥に引き寄せられて、種や苗そのものが食べられてしまうこともあり、こちらはタネバエの仕業です。

ネキリムシの被害を見つけたら、株元の土を軽く掘り、隠れている幼虫を探して取り除きましょう。

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初めての栽培でつまずきやすいポイント

つまずきやすいポイントを整理しました。

大事なポイントは、すでに記事の中で説明している内容も一部含んでいます。

①種まきの時期に気温が高すぎたら?

発芽適温(15〜20℃、25℃超えで発芽率低下)を超える場合は、涼しい場所への移動や遮光ネットで対応します。

ただ、家庭菜園レベルの工夫では猛暑を完全に防ぎきれないこともあり、その場合は晩生品種への切り替えや、苗の購入に切り替えることも検討しましょう。

②発芽しなかったセルは、種をまき直した方がいい?

発芽の目安である1週間前後で気づいた場合は、すぐにまき直しましょう。

この時点なら、他の苗との生育差もわずかで済みます。

それより日数が経ってから気づいた場合は、まき直しても植え付け時期までに十分な大きさに育たない可能性が高いため、無理にまき直さない方が良いでしょう。

③適期に種をまいても、苗が育ちすぎることはある?

あります。

例年より気温の高い秋が続くと、定植までの約55日間で苗が予想以上に育ってしまうことがあります。

この場合も、選定基準(茎の太さ鉛筆程度、草丈20〜25cm)を守り、大きすぎる苗は避けて植えましょう。

④状態の良くない苗は処分するか?

根が傷んでいたり、黄色く変色していたりする苗は、思い切って処分しましょう。

病気を持ち込んでいる可能性があり、一度畑の土に病原菌が入り込むと、何年も残ってしまうことがあります。

その場の1株を活かすよりも、畑全体を守ることを優先しましょう。

⑤畑自体に傾斜がある場合は?

畝の向きを、斜面を横切るように(等高線沿いに)作ると、水や肥料が一気に流れ落ちるのを防ぎやすくなります。

斜面に対して縦向きに畝を作ると、雨で土ごと流れやすくなるので避けましょう。

⑥水はけが良くない場合、どうすれば改善できる?

畝立ての章で説明した通り、まずは畝を立てることで、多くの場合は改善します。

それでも水はけが悪いと感じる場合は、通路に浅い溝を掘っておくと、雨水の逃げ道ができて効果的です。

土そのものが粘土質で固い場合は、堆肥やパーライト(軽石のような、水はけを良くする資材)などを混ぜ込み、深めに耕すと、土の中に隙間ができて水はけが良くなります。

⑦植え付け時期を逃してしまったら?

気づいた時点で、できるだけ早く植え付けましょう。

ただし、12月上旬が植え付けの限界です。

これより遅くなると、気温が低すぎて根が張れず、うまく根付かなくなります。

⑧植え付け時期までに苗が十分に育たなかったら?

12月上旬の期限までに、植え付けに適した状態(茎の太さ鉛筆程度)に育たなかった場合は、苗の購入に切り替えましょう。

細すぎる苗をそのまま植えても、冬の寒さで枯れてしまうリスクが高く、収穫できない可能性があります。

⑨水やりに適した時間帯はあるか?

冬場に水やりする場合は、午前中に済ませましょう。

夕方以降に水を与えると、夜間の冷え込みで土が凍り、根を傷めることがあります。

3月以降、気温が上がってくる時期は、朝の涼しい時間帯がおすすめです。

日中の暑い時間に水やりすると、すぐに蒸発してしまい、根まで届きにくくなります。

⑩雪が積もったら、そのままでいい?雪かきは必要?

玉ねぎは寒さに強い野菜なので、雪が積もっても、基本的には何もしなくて大丈夫です。

雪の重みで葉が多少倒れても、ちぎれていなければ光合成は続けられます。

無理に雪をかき分けると、苗を傷つけてしまう可能性があるため、自然に溶けるのを待ちましょう。

なお、北海道のような、冬の寒さが厳しく雪の多い地域では、春に苗を植えられる品種を育てるのが一般的なので、ネオアースのような秋植えの品種は適していません。

⑪追肥を忘れた・遅れたら?

気づいた時点ですぐに与えましょう。

遅れた分だけ土の中の肥料が不足し、生育に影響が出る可能性があります。

ただし、止め肥(3月上旬)の時期を過ぎてから気づいた場合は、追肥してはいけません。

⑫とう立ちして花芽(ネギ坊主)ができてしまったら?

見つけたら、できるだけ早く摘み取りましょう。

ただし、摘み取っても芯の硬化は止められません。

とう立ちした玉ねぎは、中心に硬い芯ができますが、その部分を取り除けば食べられます。

放置すると芯がどんどん硬くなっていくため、見つけたら早めに収穫して食べ切りましょう。

ネギ坊主自体も、開花前の緑色でつぼみの状態であれば、天ぷらなどにして食べられます。

皮が破れて開花すると硬くなってしまうので、そうなる前に収穫しましょう。

⑬収穫が早すぎた・遅すぎたら?

収穫が早すぎると、球が十分に育たず小さいままになります。

首(葉の付け根)もまだ水分を多く含んでいて締まりきっていないため、その隙間から菌が入りやすく、保存中に傷みやすくなります。

逆に収穫が遅すぎると、球が水分を吸いすぎて、皮が割れる「裂球」が起きやすくなります。

倒伏から10日以上放置すると、このリスクが特に高まるので注意しましょう。

⑭裂球・分球した玉ねぎは食べられるか?

どちらも食べられます。

味や中身は、通常の玉ねぎと変わりません。

ただし、分球は1株が2つに分かれる分、1個あたりのサイズは小さくなります。

裂球は、割れた部分から菌が入りやすいため、保存には向きません。

割れた部分が傷んでいることがあるので、そこは取り除いて使い、早めに食べ切りましょう。

⑮ネットや吊るす場所がない時の保存は?

乾いた新聞紙やキッチンペーパーで1つずつ包み、蓋を開けた段ボールに入れておくと、一時的な湿気対策にはなります。

ただ、紙が吸える湿気の量には限りがあるため、なるべく早くネットでの保存に切り替えるのがおすすめです。

⑯夏場・冬場(氷点下地域)の保存は?

保管場所の温度が15℃を超える、または屋外に保管していて氷点下になる場合は、冷蔵庫での保存に切り替えましょう。

野菜室は湿度が高いため不向きで、冷蔵室の方が適しています。

玉ねぎを裸のまま入れると乾燥しすぎてしまうので、新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れましょう。

湿気がこもらないよう、袋の口は軽く閉じる程度にします。

⑰保存中に傷んだ玉ねぎを見つけたら?

すぐに取り除き、周囲の玉ねぎも傷んでいないか確認しましょう。

全体がブヨブヨ・異臭がある場合は廃棄、一部だけの変色(りん片腐敗病)なら、その部分を取り除けば残りは食べられます。

⑱種が余ったら、来年も使える?

乾燥剤と一緒に密閉容器に入れ、冷暗所で保存すれば、2年程度は使える目安になります。

ただし、ペレット種子は通常の種より寿命が短いため、なるべくその年のうちに使い切りましょう。

日を追うごとに品質は下がっていくため、余った種を翌年使う場合は、そのことを頭に入れておきましょう。

⑲資材(培養土・苦土石灰・堆肥・肥料・リン酸・活力剤)が余ったら、この後や来年も使える?

培養土・苦土石灰・化成肥料・過リン酸石灰は、明確な使用期限はありません。

直射日光と雨を避け、袋の口をしっかり閉じて保管すれば、来年も使えます。

堆肥は虫が寄ってきたり、においが出たりするため、密閉した状態で屋内に保管するのがおすすめです。

活力剤(液体)は、開封後になるべく早く使い切りましょう。

直射日光を避け、凍らない場所で保管します。

なお、培養土に白いカビが見えても、良い菌が増えているだけなので心配いりません。

使う際に、日光に当ててよく混ぜ込めば大丈夫です。

⑳セルトレイ・マルチ・不織布・遮光ネットは、来年も使える?

破損がなく、きれいに洗えそうであれば、来年も再利用できます。

洗うのが大変だったり、破れや劣化が見られたりする場合は、無理に取っておかず、次のシーズンに新しく買い直す方が手間がかかりません。

なお、マルチは畝から剥がす作業で破れやすいため、再利用を考えている場合は、特にていねいに扱いましょう。

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まとめ

ここまで、ネオアースの種まきから保存まで、一通りの流れを紹介してきました。

工程は多く感じたかもしれませんが、ひとつひとつは、決められた時期とやり方さえ守れば、決して難しいものではありません。

一度の栽培で、翌年の春先まで、長い間食卓を支えてくれるのは、ネオアースの大きな魅力のひとつです。

初めて玉ねぎ作りに挑戦する方は、ぜひネオアースから始めてみてください。

このブログについて
Life-note Lab 管理人
さじ

会社員歴20年|40歳でフリーランス転向|ブログ×Webライティング×見習い農家|前職も非常勤で継続|自分に合う生き方を再設計中

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