地鎮祭とは?流れ・服装・初穂料の相場から、しない選択肢まで元住宅営業が解説

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「地鎮祭って、何をすればいいんだろう」
そう検索して、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

服装は?費用は?のし袋の書き方は?
分からないことが多すぎて、不安になりますよね。

私は地方の工務店で、住宅営業として8年間働いてきました。
その間、数多くの地鎮祭に立ち会い、施主さんの隣で儀式の流れを一緒に見てきています。

この記事では、地鎮祭の基本的な流れやマナーはもちろん、現場で実際にあった実例も交えてお伝えします。
読み終わるころには、当日の不安がぐっと減っているはずです。

地鎮祭の準備が整った施工予定地のテントと祭壇

そもそも地鎮祭とは?やらないと失礼になる?

結論から言うと、地鎮祭は「その土地の神様に、工事の安全と家の繁栄を祈る儀式」です。
そして、法律で義務づけられたものではありません。

そもそも地鎮祭とは、正式には「とこしずめのまつり」とも呼ばれる神事のこと。
これだけだと、少し堅苦しく聞こえますよね。
噛み砕いて言うと、「これからこの土地に家を建てさせてもらいます、工事も安全にお願いします」という、土地への挨拶のようなものです。

やらないと失礼になるのでは、と心配する方もいるかもしれません。
ですが、地鎮祭をするかしないかは、あくまで施主さんの判断に委ねられています。
実際に、地鎮祭をしないという選択をされた方もいました。
このあたりは、次の章で詳しくお伝えします。

家づくり全体の流れの中で、地鎮祭がどのタイミングにあたるのか気になる方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

地鎮祭はやるべき?しない選択もアリ

結論から言うと、地鎮祭はやらなくても問題ありません。
実際に、私が担当したお客さんの中にも、地鎮祭をしないと決めた方がひとりだけいました。

そのお客さんは、何に対しても考え方が論理的な、理系タイプの方でした。
周りがやっているからという理由だけでは動かないタイプで、「地鎮祭をやることの、現実的な意味を感じない」というのが、その方の考えでした。

多くの場合、地鎮祭のあとには近隣あいさつに回ります。
ですが、そのお客さんの家は、長く住んでいた土地の建て替えでした。
近所の方々とは、もともと毎日のように顔を合わせる間柄だったこともあり、改めての近隣あいさつもいらない、とのことでした。

結果として、地鎮祭をしなかったことによるトラブルや後悔は、まったくありませんでした。
土地の状況や、施主さんの考え方によって、地鎮祭の必要性は変わってくるのでしょう。

とはいえ、私の感覚では、多くの方は「せっかくの機会だから」とやる方が大半です。
やるかやらないか迷っている段階なら、一度、施工会社の担当者に率直な気持ちを相談してみるのがおすすめです。

地鎮祭をするか考えている施主のイメージ

地鎮祭の服装、正解はある?

結論から言うと、地鎮祭の服装に厳密な決まりはありません。
神主さんから服装を指摘される場面も、私は見たことがないです。

とはいえ、まったくの自由でいいと言われると、逆に迷ってしまいますよね。
私がいつも案内していたのは、「気になるなら、襟付きの服が好ましいです」という基準でした。

具体的には、こんなイメージです。

項目好ましい例避けたいもの
襟付きのシャツ・ポロシャツ・ジャケットTシャツなどのラフすぎるトップス
スラックスやチノパンデニム・短パン
足元革靴やきれいめのスニーカーサンダル
白・黒・ベージュなど落ち着いた色派手すぎる色・柄

実際、ほとんどの施主さんは、このイメージに近い服装で来られていました。

唯一、印象に残っているのは、真夏の一番暑い時期に、Tシャツとハーフパンツ、サンダルで来られた方です。
気にしなければ自由でいいですし、何より熱中症の方が心配な気温だったので、私からも服装より体調を優先するようお伝えしていました。
実際、神主さんから何か言われることもなく、地鎮祭は問題なく執り行われています。

つまり、地鎮祭そのものは、どんな服装でも滞りなく進みます。
ただ、地鎮祭のあとに近隣あいさつへ向かうケースを考えると、普段着よりも少しフォーマルに寄せておくのが無難でしょう。

地鎮祭当日の流れ|9つの工程を解説

地鎮祭は、だいたい30分〜1時間程度で終わります。
当日は、修祓の儀(しゅばつのぎ)→降神の儀(こうしんのぎ)→献饌(けんせん)→祝詞奏上(のりとそうじょう)→切麻散米(きりぬささんまい)→地鎮の儀→玉串奉奠(たまぐしほうてん)→撤饌(てっせん)→昇神の儀(しょうしんのぎ)、という9つの工程で進みます。

このうち「地鎮の儀」は、実は3つの動作に分かれています。
まず設計者が鎌を入れる「刈初の儀(かりぞめのぎ)」、次に施主が鍬を入れる「穿初の儀(うがちぞめのぎ)」、最後に施工業者が鋤を入れる「堀初の儀(ほりぞめのぎ)」の順です。
神社によっては、この鍬と鋤の順番が逆になることもあるようです。

呼び方や道具の順番には、神社によって多少違いがあります。
ただ、9つの工程全体の流れ自体はほぼ共通しているので、当日は司会進行に沿って動けば大丈夫です。

地鎮祭当日の9つの工程を示した図解

初穂料・のし袋の書き方

地鎮祭で神主さんにお渡しするお礼は、「初穂料(はつほりょう)」または「玉串料(たまぐしりょう)」と呼ばれます。
相場は、個人の施主であれば2万円程度、法人であれば3万円程度が多い印象です。
地域や神社によって差があることもあります。

のし袋は、以下のポイントを押さえればOKです。

項目書き方
水引紅白の蝶結び
表書き(上段)「初穂料」または「玉串料」
表書き(下段)施主のフルネーム
中袋(表)金額を旧字体で(例:金参万円也)
中袋(裏)施主の住所・氏名

金額の相場やのし袋の準備は、施工会社が案内してくれることがほとんどです。
地域差が気になる場合は、遠慮せず担当者に確認してみてください。

地鎮祭にかかる費用の内訳

地鎮祭全体でかかる費用は、初穂料以外にもいくつかあります。
ざっくりとした内訳は、こちらの表を参考にしてください。

項目目安の費用備考
初穂料(玉串料)個人2万円程度、法人3万円程度神主さんへのお礼
お供え物魚なしで5千円程度、魚ありで8千円〜1万円程度神社または施工会社が用意してくれることが多い
テント・式典設営施工会社負担が多い見積もりに含まれているか要確認
近隣あいさつの粗品1軒あたり500円〜1,000円程度施工会社が準備することが多いが、自分で用意する場合はティッシュなど日用品が無難

会社によって、どこまでを施工会社が負担してくれるかは変わります。
契約前の段階で、一度、見積もりの内訳を確認しておくと安心です。

地鎮祭とセットでやっておきたい近隣あいさつ

地鎮祭が終わったら、その足で近隣あいさつに向かうのが一般的です。
私が担当していたときは、会社であいさつ文と粗品のタオルを準備し、施主さん、現場担当者、営業担当の3人で回っていました。

範囲は、地図で見たときに施工予定地を囲む、上下左右と斜めの合わせて8方向のお宅が目安です。

あいさつの進行は、基本的に営業担当や現場担当が先頭に立ってくれます。
施主さんは、紹介されたタイミングで「○○です。よろしくお願いします」と一言添えるくらいで問題ありません。
そのあと担当者から工事期間や注意点を伝え、粗品を渡して締めくくる、というのが一連の流れです。

事前に草刈りや地縄張りをしていることも多いので、「何か始まるのかなと思ってました」と声をかけられることもよくあります。
「わざわざご丁寧にありがとうございます」と言ってもらえることも多いですし、地元だと偶然、共通の知り合いが見つかることもありました。

一方で、正直に言うと、あまり良くない反応をされることもあります。
「にぎやかになるね」と、少し嫌味っぽく言われたことも。

隣家の東側に家を建てるケースでは、「日が当たらなくなりそうね」と言われたこともありました。
このときは、「朝は少し日が入る時間が遅くなるかもしれませんが、日中は大丈夫でしょう」と、笑顔でお伝えするようにしています。

隣人は選べません。
だからこそ、工事中はできる限り近隣に配慮しながら進めること、そしてあいさつのときに愛想よくすることくらいしか、こちらにできることはないのかもしれません。

施主と担当者が近隣へあいさつをしている様子

元住宅営業だから言える、地鎮祭のリアル

最後に、現場でよく見てきた「あるある」を、少しだけ紹介します。
知らなくても困りませんが、知っておくと当日ちょっと余裕が持てるはずです。

まずは、玉串奉奠(たまぐしほうてん)の作法。
玉串は、根元が右、時計でいう3時の方向を向いた状態で受け取ります。
台に置くときは、根元が12時の位置にくるように、時計回りに回してから置くのが正式な作法です。
とはいえ、これができなくても、その場で注意されることはまずありません。

次に、穿初の儀(うがちぞめのぎ)。
本来は、1・2回目は軽く土に触れる程度、3回目にしっかり砂を崩すのが正しい作法です。
ですが実際には、3回とも軽く触れるだけの方もいれば、逆に3回とも崩してしまう方もいます。
崩さなければ本来の意味がありませんし、崩しすぎるとそのあとの堀初の儀がやりづらくなってしまうので、そこは少し加減が必要です。

このとき「エイ・エイ・エイ」という掛け声をかけるのですが、周りから見られている緊張もあってか、声量が控えめになる施主さんがほとんど。
この「エイ」には、家が「栄える」という意味も込められています。
せっかくなら、大きな声を出したほうが、縁起としても気分としてもいいはずです。

最後は、手水(ちょうず、ひしゃくで手や口を清める作法)。
本来は、1回目で両手を清め、2回目で口をすすぎ、3回目で口をすすいだ手を再び清めます。
とはいえ、これも知らないからといって恥をかかせたくはないので、私がひしゃくで水をかけながら、お施主さんの手が止まったタイミングで、それとなく次に進めるようにしていました。
逆に、3回きっちりこなす方を見ると、「作法をよくご存じだな」と、少し感心してしまいます。

まとめ

地鎮祭は、法律上の義務ではなく、施主さんの判断で決めていい儀式です。
服装にも、厳密な決まりはありません。

作法を少しくらい間違えても、地鎮祭の意味がなくなるわけではありません。
地鎮祭は、あくまでもその土地と神様との縁を結ぶ儀式です。
だからこそ、細かい作法以上に、厳かな気持ちで臨むことを大事にしてみてください。

当日の流れや初穂料の相場、近隣あいさつのマナーを、事前に知っておくだけで、当日の不安はぐっと減るはずです。
この記事を参考に、落ち着いて地鎮祭の日を迎えてください。

このブログについて
Life-note Lab 管理人
さじ

会社員歴20年|40歳でフリーランス転向|ブログ×Webライティング×見習い農家|前職も非常勤で継続|自分に合う生き方を再設計中

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