住宅の資料請求をした・展示場でアンケートに答えただけなのに、営業から毎週のように連絡がくる……。
ゆっくり検討したい、必要になったらこちらから連絡すると伝えたのに……なぜ?
こんな経験をされたことはありませんか?
車や保険の営業と比べると、住宅営業は少ししつこいと感じやすいかもしれません。
この記事では、なぜ住宅営業がしつこいと感じやすいのかを、営業経験者の視点からお伝えします。
住宅営業がしつこい理由
しつこい理由としてまず思い浮かぶのは「営業ノルマ」でしょう。
たしかにそれも一因ではあります。
ただ、ノルマがあっても配慮ができる営業担当者はいます。
つまり、本質的な理由は別のところにあります。
3つの理由を順番に見ていきましょう。
そもそも提案ルートが多いから、接触が増える
住宅営業が他の業界と比べてしつこく感じやすいのには、構造的な理由があります。
住宅の購入には、土地・資金・間取り・デザイン・性能・時期など、決めなければならないことが山ほどあります。
営業担当者はそのひとつひとつにアプローチしていくため、提案できる切り口が多く、その分接触の回数も増えます。
車や保険と比べてしつこく感じやすいのは、こういう仕組みがあるからです。
連絡の回数が多いこと自体は、ある意味、住宅営業の構造的な特徴でもあります。
会社が、配慮の仕方を教えない
ただ、接触が増えること自体は背景の一部に過ぎません。
問題はその接触の仕方です。
住宅会社の営業研修やマニュアルで教えられるのは、主に「どう売るか」のテクニックです。
自社商品の説明方法、資金やローンの知識、商談でのトーク例——こういった内容が中心になります。
「お客様の気持ちや状況をどう汲み取るか」まで踏み込んで教える会社は多くありません。
売るための知識は教えるが、配慮の仕方は教えない。
これがしつこい営業が生まれやすい土台になっています。
担当者が、配慮しないかノルマを優先する
担当者レベルでは、2つのパターンがあります。
ひとつは、そもそも配慮という考えを持たない人。
- 連絡する曜日や時間帯をお客様に確認せず一方的に連絡する
- 今お客様が何に困っているかを聞かずに話を進める
- 自社の商品や言いたいことだけ伝えてお客様の話を聞き出そうとしない
こうした行動が、しつこさとして伝わります。
もうひとつは、配慮はしたくても、ノルマを優先せざるを得ない人。
- お客様のペースを尊重したくても、月末が近づけば急かしてしまう
- 連絡不要と言われても、どうしても伝えたいことがあれば電話してしまう
- 会社からのプレッシャーが、配慮より先に出てしまう
どちらのパターンも、結果として「お客様がしてほしいことをしてくれない、してほしくないことをする」という結果になります。
それがしつこいという感覚の正体です。
“しつこい営業”と”気にかけてくれる営業”の違い
では、担当者による差はどこに現れるのでしょうか。
お客様のペースを尊重しているか
お客様によって、要望も、考え方も、検討にかける時間もさまざまです。
それは家づくりに限らず、普段からのその人の生き方そのものでもあります。
じっくり考えたい人もいれば、早く進めたい人もいる。
そのタイプに合わせた提案ができると、お客様のストレスは大きく減ります。
家づくりは初めてのことだらけで、楽しいことだけではなくしんどいこともあります。
気にかけてくれる営業担当者は、そういった気持ちや様子を汲み取りながら伴走してくれます。
不安をあおって急かしてこないか
「今なら金利が低い」「今月でキャンペーンが終わる」——こういった言い方で、今すぐ決めないと損をするという気持ちにさせてくるケースがあります。
この手法自体はどんな業界でも使われていて、悪質なわけではありません。
ただ、しつこく押し付けてきたり、大きな損をするかのような言い方をしてくる場合は、お客様の判断に影響が出ます。
「後から変更もできるから、ひとまず契約だけしましょう」という強引なケースも、現実にあります。
情報を伝えることと、情報を使って不安をあおることは別物です。
検討状況が変わっても、丁寧に対応してくれるか
「少し検討のペースを落としたい」と伝えたとたん、急に態度が変わる担当者がいます。
1人の営業担当者は同時に複数のお客様を対応していて、契約に近いお客様を優先したくなるのは自然なことです。
ただ、何も言わずに距離を置かれる、連絡しても返事が遅くなるなど、対応が極端に雑になる場合は注意が必要です。
本来、営業という仕事は「お客様の課題を一緒に解決する」ものです。
考えた結果、時期をずらすことや、注文住宅ではなく建売や賃貸が最適解ということだってあります。
家を売ることよりも、答えを一緒に探してくれる担当者が、理想の伴走者です。
しつこい住宅営業への対処法
自分の検討状況を正直に伝える
営業担当者は主に、土地・資金・競合他社・関与者・時期の5つの視点で、お客様の検討がどこまで進んでいるかを把握しています。
すべてが揃えば「契約間近」と判断されます。
逆に言えば、どれかが決まっていない状況を正直に伝えることで、「まだ時間がかかりそう」と判断されやすくなります。
曖昧な返事をしない
「検討します」という言葉は、営業担当者には「どんどん案内してください」と受け取られることがあります。
強引な担当者は、はっきり断られない限り営業を続けて良いと考えます。
「今すぐ決めるつもりはない」とはっきり伝えることが、一歩引いてもらうための近道です。
本当に合わないなら距離を置いてOK
それでもしつこく営業が続く場合は、距離を置くのが正解です。
家が完成するまでの長い期間、合わない担当者と進める家づくりは、楽しめなくなります。
担当者を変えてもらうか、他の会社での検討をメインにするのも選択肢です。
しつこい住宅営業への具体的な断り方は、こちらの記事(予定)で詳しく解説しています。
まとめ
住宅営業がしつこく感じやすいのには、構造的な理由があります。
提案できる切り口が多いからこそ、接触の回数も増えやすい。
ただ、本質的な問題は接触の回数ではなく、その仕方です。
会社が配慮の仕方を教えない、担当者が配慮しないかノルマを優先する——この2つが重なったとき、しつこさはより深刻になります。
知識や情報は調べれば補えますが、配慮があるかどうかは、実際に接してみないとわかりません。
何度か打ち合わせを重ねる中で、”しつこい営業”と”気にかけてくれる営業”を見極めていただければと思います。
しつこいと感じてモヤモヤしていたとしたら、それはあなたのペースを尊重してもらえていないサインかもしれません。
担当者を変える、会社を変える、それも家づくりの大事な判断のひとつです。

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