工務店へ断りの連絡を入れたいけど……
資料をもらったり、何度も打合せをしたりしてきたから申し訳ない。
担当者が一生懸命だったから言いにくい。
紹介してもらった手前、断りづらい。
そんな気持ちで、なかなか伝えられない人は結構多いです。
ただ、そんなに重く考える必要はありません。
家は何千万円もかかる買い物で、納得できなければ断るのは当然の判断です。
この記事では、状況別の断り方と例文、断る前に確認しておくこと、断った後の不安への答えまでまとめました。
工務店に限らず、ハウスメーカーなど住宅営業全般に使える内容です。
自分の状況に近いところから読んでみてください。
自分の状況に合わせた断り方【例文あり】
断り方に「万能な正解」はありません。
資料請求しただけなのか、何度も打合せを重ねたのかで、伝え方も変わってきます。
まず自分の状況を確認し、それに合った断り方を選んでみてください。
資料請求・見学会参加しただけのとき
資料請求やイベント参加をしただけで、本格的な検討には入っていない。
それでも何度も連絡が来て、断りたいと思っている方も多いです。
こういうケースは、シンプルに「検討しないことにした」と伝えるだけで十分です。
長々と理由を説明する必要はないですし、謝り続ける必要もありません。
<例文>
先日は資料をお送りいただき(見学会でご案内いただき)ありがとうございました。
その後家族で検討しましたが、今回は見送ることにしました。
お時間をいただいたのにすみません。
相手は、あなたからの明確な答えがもらえるまで追客を続けます。
(その会社で家づくりを検討するのか、しないのか)
早めに伝えた方がお互いのためですので、気にせず伝えましょう。
他社に決めたとき/担当者が合わなかったとき
検討を進めてきたけれど、他の会社の方が自分たちの希望に合っていた。
あるいは、担当者との相性が合わなくて、この会社での家づくりが難しいと感じている。
この場合、正直に「他社にする」と伝えれば大丈夫です。
理由を詳しく説明する必要もありません。
<例文>
これまでいろいろとご提案いただきありがとうございました。
家族で検討した結果、今回は別の会社にお願いすることにしました。
せっかく動いていただいたのに申し訳ありません。
「なぜ他社にしたのか」と聞かれたときの答え方はQ&Aにまとめています。
担当者との相性が理由のときは、「担当者が合わない」とはっきり言わなくて大丈夫です。
(担当者を代えるからと引き延ばされます)
「総合的に判断した結果」「家族と話し合って決めました」で十分伝わります。
家づくり自体をやめることにしたとき
資金の問題、家族の事情、その他の理由で、家づくり自体を続けることが難しくなった。
こういうケースは、素直にそのまま伝えて大丈夫です。
<例文>
これまでご対応いただきありがとうございました。
家族の事情が変わり、家づくりを続けることが難しくなりました。
せっかくここまでご提案いただいたのに申し訳ありません。
事情が事情だけに、ほとんどの担当者はそれ以上引き止めません。
もし「いつか再開するときはぜひ」と言われたら、「その際はまたご連絡します」と、社交辞令程度に受け取っておけば問題ありません。
断る前に確認|どの段階まで進んでいるか?
断ること自体はいつでもできます。
ただ、段階によっては費用が発生するケースがあります。
断る前に自分がどの段階にいるかを確認しておきましょう。
資料請求〜初回面談まで|費用の心配は基本なし
資料請求、見学会参加、初回の面談程度であれば、費用を請求されることはまずありません。
心配せずに断りの連絡を入れて大丈夫です。
間取り提案・見積もりをもらった段階|請求されるケースも
間取りの提案や概算見積もりを出してもらっていても、契約前であれば費用を請求されることは基本的にありません。
これらは工務店側が「受注につなげるための営業活動」として行っているからです。
ただし、会社によっては「プラン作成費」として費用を設定しているところもあります。
その場合、何かしらの申込書や説明書類があるはずです。
念のため、断る前に過去のやり取りを確認しておくといいでしょう。
土地調査・設計契約まで進んでいる場合|費用発生の可能性あり
土地の地盤調査や、水道・ガスなどのライフライン調査に費用がかかっていた場合、その実費を請求される可能性があります。
また、設計契約を結んでいて、基本設計(平面図・立面図・3Dパースなど)まで進んでいた場合も、会社によっては費用請求されることがあります。
構想レベルであれば請求されないこともありますが、実施設計(施工に必要な詳細図面まで作成)が完成していた場合は、費用請求されるケースが多いです。
契約書を確認して、設計費の扱いがどうなっているかを見ておきましょう。
工事請負契約後・着工後|違約金と費用請求の考え方
工事請負契約を結んだ後でも、解除すること自体は法律上可能です。
ただし、契約書に違約金の規定がある場合は、その条件に従った費用が発生します。
着工後の場合は、それまでに実際にかかった工事費用(人件費含む)を請求されることになります。
契約書の「契約解除」「違約金」の項目を必ず確認しましょう。
断ることへの罪悪感が拭えない人へ
断っても大丈夫だということ自体はわかった。
でも、どうしても気持ちの整理がつかない。
そういう方のために、少し考えてみてほしいことを書きます。
何度打合せしても、断るのはあなたの権利
「ここまで来たら断りにくい」と感じる方は多いです。
何度も打合せをして、間取りも出してもらって、見積もりまでもらった。
今さら断るのは非常識なんじゃないかと。
でも、そんなことはありません。
家は何十年も住む場所であり、何千万円もかかる買い物です。
仮に、納得できない状態で家づくりを進め、その家に住んだ時のことを想像してみてください。
少しでも気になる箇所が出てきたら、「あの時、別な会社にしておけば……」と強く後悔するでしょう。
担当者も、断られることは想定内です。
住宅営業の仕事をしていれば、全員と契約できるわけではないことはわかっています。
申し訳なさを感じることはあっても、罪悪感を持ち続ける必要はないのです。
担当者が若い・一生懸命だった、それでも断っていい理由
一生懸命対応してくれた担当者を断るのは、確かに心苦しいです。
特に若い担当者だと「自分のせいで成績が下がるんじゃないか・落ち込んでしまうのではないか」と気にされる方もいます。
ただ、考えてみてほしいのは、担当者への気遣いで家を決めていいのか、ということです。
担当者は、あなた以外のお客様とも次々と出会っていきます。
でも、合わない家に住み続けるのはあなたです。
丁寧に断ること、それ自体が相手への誠意だと思っていいです。
紹介者への申し訳なさとどう向き合うか
友人・知人に工務店を紹介してもらって、断りにくいケースもあります。
紹介者への対応は、工務店への連絡とは切り離して考えましょう。
まず工務店に断りの連絡を入れる。
その後で紹介者に「いろいろと検討した結果、今回は別の方向にした」と報告する。
紹介者には「家族でよく話し合って決めた」で十分です。
本当に大切な関係であれば、あなたの選択を責める人はいません。
Q&A|断る前と後の不安に答える
電話・メール・対面、どの方法で断るべき?
断る前に迷うことの一つが、伝える手段です。
担当者との距離に合わせて判断するのが良いでしょう。
打合せを何度か重ねている場合は、電話か対面の方が誠意は伝わりやすいです。
メールは相手が読むタイミングを選べるので、感情的なやりとりになりにくいというメリットもあります。
断ることに気持ちの負担が大きい場合は、メールから入って、必要であれば電話でフォローするという流れでも十分です。
資料請求やイベント参加だけの段階であれば、メール一本で問題ありません。
理由は正直に言う?当たり障りなく言う?
正直に言っても、当たり障りなく言っても、どちらでも構いません。
ただ、詳しく説明すればするほど「それなら対応できます」と引き止められる材料を渡すことになります。
理由はシンプルに、短く伝えるのがいいです。
「総合的に判断した結果」「家族で話し合って決めました」は、これ以上突っ込みにくい表現として使いやすいです。
断った後も連絡が来たら?しつこく引き止められたら?
ここからは断った後に出てくる不安への答えです。
断っても連絡が続く場合は、「お断りの連絡はすでにしました。今後のご連絡はご遠慮ください」とはっきり伝えましょう。
一度明確に伝えれば、まともな会社であればそれ以上は連絡してきません。
しつこく引き止められた場合も、理由を追加説明するほど話が長引きます。
「決定事項なので、変更はありません」と短く返すだけで十分です。
他社に決めた理由を詳しく聞かれたら?
「なぜ他社にしたのか教えてほしい」と言われることがあります。
改善のための参考にしたいというケースもありますし、もう一度考え直してもらうための引き止めのケースもあります。
答えたくなければ答えなくて大丈夫です。
特定の理由ではなく、「総合的に判断しました」で十分です。
もしフィードバックとして伝えたい気持ちがあれば、「価格面で折り合わなかった」「間取りの希望が合わなかった」など、一言で済む理由を伝える程度にとどめておくといいでしょう。
地元の工務店で、今後も顔を合わせるのが気まずい
地域密着の工務店だと、今後のご近所付き合いやどこかで顔を合わせる可能性があります。
それが断りづらい理由になることもあります。
ただ、丁寧に断っていれば、相手も納得してくれるケースがほとんどです。
最初は気まずいかもしれませんが、時間が経てばお互いに気にならなくなります。
逆に、断れずにずるずると引きずっている方が、後々の関係に影響するかもしれません。
個人情報(住所・収入など)はどう扱われる?
打合せの過程で、住所・家族構成・年収などの個人情報を伝えます。
断った後に「その情報がどう使われるか」が心配な方もいます。
個人情報の取り扱いは、各社のプライバシーポリシーに基づきます。
気になる場合は、断りの連絡の際に「個人情報の削除をお願いしたい」と一言添えておきましょう。
法的に削除が義務付けられているわけではありませんが、誠実な会社であれば対応してくれます。
作ってもらった間取りは次の会社で活かせる?
間取りプランの著作権は、作成した工務店や設計者にあります。
そのまま別の会社に持ち込んで「これで建ててほしい」というのは好ましくありません。
ただ、同じ希望を次の会社に伝えれば、似た間取りができあがることは十分あり得ます。
「LDKを南向きにしたい」「子ども部屋は将来2つに分けられるようにしたい」といった希望の言語化は、次の会社でそのまま使えます。
間取り図そのものではなく、希望を整理したメモとして活かすイメージです。
紹介してくれた人にはなんて言えばいい?
工務店への連絡とは別に、紹介者への報告も必要になります。
「いろいろと検討した結果、今回は別の方向で進めることにしました。紹介してくれてありがとう」という形で十分です。
詳しい理由を聞かれても、「家族でよく話し合って決めた」で構いません。
紹介者が工務店側と近い関係にある場合でも、あなたの決断を責める権利は誰にもありません。
次の家づくりへ|断った経験を無駄にしない
断ることは、後退ではありません。
「合わない」と気づいたこと、希望をまとめたこと、打合せを重ねてきたこと、それ全部が次の家づくりの経験になります。
予算の現実が見えた、自分たちが何を大切にしているかはっきりした、そういう気づきは次の会社でそのまま活きます。
家づくりを続けられなくなった方も、今すぐ前を向けなくて大丈夫です。
また動けるタイミングが来たとき、今回の経験を役立てていきましょう。
納得のいく家づくりは、縁が合った会社と出会ったときに始まります。
焦らず、自分たちのペースで次を探してみてください。


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